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【石炭】

石炭電子商取引の新モデルに活路を見出す中国石炭企業 (15/07/24)
2015/7/31
中国【石炭】

 近年、世界的な新エネルギー産業の台頭に伴い、多数の石炭企業は赤字に陥り、給与の遅配や破産宣告を行う企業もある。しかし、一部の石炭企業は石炭電子商取引という新しいモデルに活路を求めている。

 石炭産業は厳冬期に入り、先見性のある石炭企業は相次いで石炭電子商取引にチャンスを見出そうとするようになった。石炭電子商取引プラットフォームはサプライチェーンの統合と最適化によって、オンライン取引、リアルタイム検索、金融サービスなど様々な機能を集成するものであり、中間プロセスを減らすことで、最終的に山元価格の上昇と小売価格の引き下げを実現し、もって石炭販売量を増やして利益を得る。今年3月、大連商品取引所にコークス先物が上場し、5月には中煤集団が独自に開発した中煤商務プラットフォームがオンラインで運営を開始した。6月には淮北鉱業と上海鋼聯電子商務株式公司が組んで石炭電子商取引に進出した。北京では首鉄資源網も間もなくオンラインを開始する。中国最大の第三者石炭フル産業チェーン電子商取引プラットフォームであるZhaomei.comは3,000万元の融資を獲得したと発表した。中煤遠大は、傘下の電子商取引プラットフォームの今年の取引量が昨年をはるかに上回り、1,000万トンを突破するのと見通しを示した。

 石炭電子商取引プラットフォームにおいて、石炭需給双方はオンラインでの交流と取引を実現し、取引コストを引き下げ、販路を広げることが出来る。同時に小規模企業にも取引のチャンネルをもたらし、石炭企業に新たな活路を提供する。

 但し、石炭電子商取引の関係者によると、この新しいモデルには2〜3年の適応期間が必要であり、一般の石炭取引業者がこのモデルを受け入れるようになるにはさらに長い時間が必要になるだろう。石炭電子商取引プラットフォームによって販売する石炭はごく一部しか占めることが出来ず、石炭の大部分は依然として従来の販売モデルに依存すると、販売業者の多くは、見ている。石炭電子商取引が短期間で従来の石炭取引に取って変わることは不可能ではあるが、厳冬期にある石炭企業に転換のチャンスをもたらすことになる。石炭電子商取引の台頭は需給状況の変化や政府の政策支援と密接に関係し、新モデルが石炭販売量の増加、総合コストの引き下げや販売チャンネルの統合をもたらすことは可能ではあるが、現在の石炭産業全体の不景気は経済と密接に関係しており、新モデルのもたらす影響も全体的に限られる。

 専門家によると、石炭電子商取引はスタートしたばかりであり、最終的に石炭価格にいかなる影響を及ぼすのか、本当に中間プロセスを圧縮できるのか、石炭企業と末端の購入者の双方に利益をもたらすかについては、今後の行方を見守る必要がある。

 (中国銀河証券 7月24日)