業界関係者は人民元の下落が石炭輸入に衝撃を与えると予想する。

　中国証券報が取材を行った石炭業界関係者はいずれも人民元の下落は石炭輸入市場にとって影響が極めて大きいと指摘している。

　某石炭輸入業者によると、今回人民元為替レートが一気に2％下落したことで、石炭輸入業務の利益は1トンに付き概ね0.5〜1ドル下がる。また人民元の下落によって、国内の需要家にとっては、輸入炭に対して以前より多くの人民元を支払うことが必要になり、そのため、輸入炭需要が下がり、輸入炭価格も圧力を受けることになる。

　華南地区の発電所関係者によると、国外のFOB価格の調整が人民元の下落に追い付かず、当面の間、輸入炭のCIF価格が上昇することになり、同発電所の輸入炭調達にも一定の影響が及ぶ。人民元為替レートの動向は引き続き観察を要するとのことである。

　ICISの石炭産業アナリストであるトウ舜氏によると、石炭輸入にとって、人民元の下落は、調達コストの上昇と輸入業者のリスク増大、さらには利益の圧縮をも意味する。もし人民元為替レートの下落が続けば、輸入炭市場は重大な打撃を受け、石炭輸入量は著しく減少することになる。

　（中国能源網 8月12日）