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中国
【石炭】

輸入炭の衝撃に中国石炭企業はいかに対応すべきや (15/08/20)
2015/8/26
中国【石炭】

 7月期の中国の石炭輸入は合計2,126万トン、前月より466万トン増加した。一方、国内石炭産業は惨憺たる状況である。輸入炭の価格優位は、国内炭市場の長期低迷や供給過剰の主要原因の一つである。輸入炭の衝撃に中国石炭企業はいかにして包囲網を脱するかよくよく考える必要がある。

 税関総署が8月8日に発表した統計によると、7月期の中国の石炭輸入は合計2,126万トン、前月より466万トン、28.07%増加した。もっとも、数量は前月比で上昇したものの、トン当たりの石炭価格は依然低下している。7月期の石炭輸入額は13億33万ドル、輸入単価は61.6ドル/トンで、前月より1.64ドル下がった。

 国内炭が供給過剰状況にある中で、輸入炭の比率は依然上昇しているが、その主因は価格にある。中国の石炭価格は長期にわたる下落を経てすでに低水準になっており、企業の採掘利益は極めて薄く、価格面でこれ以上の譲歩は極めて難しい。大手石炭企業の多くは上半期の純益が大幅に下がり、赤字も発生している。

 中国煤炭資源網が注目する上場石炭企業30社のうち21社が上半期の業績を発表した。これら21社の上場公司の株主に帰属する純利益は86.74億元、前年同期比63.02%もの大幅な減益になった。

 また、全国の主な一般炭及び原料炭鉱区の赤字企業の比率は約8割に上り、特に一般炭鉱区の赤字が深刻化している。

 国務院国有資産監督管理委員会中国都市発展連合促進会書記の高福朝氏によると、中国の石炭は価格面で国外炭に依然敵わず、しかもWTOの保護期間の終了に伴い、国際競争はますます激しくなる。中国の石炭市場の低迷は高い採掘コストに主要原因があり、石炭採掘コストをいかにして科学的に引き下げるかが極めて重要である。

 国内炭のコストがあまりにも高い原因には主に次の点がある。第1に、人的、物的コストの上昇、第2に税負担及び各種課金問題、第3に経営管理コストの高さ、すなわち小炭鉱が多く、効率的、統一的管理の不足である。加えて、近年、鉱業開発の環境保護要件が厳格化していることも、企業の採掘コスト増加の一因になっている。
 
 以上の苦境に対して、石炭企業が包囲網を突破しようとするなら、自ら反省し、科学技術投資を増やし、石炭採掘コストを科学的に引き下げなければならない。

 また、石炭企業はコスト圧縮や効率向上だけでなく、価格引き下げによる販促などの市場戦略を反省しなければならない。国内石炭企業が輸入炭の衝撃に抵抗して自身の競争力を高めるにはそうするしかない。

 第1に。石炭企業は国務院と地方政府の政策に呼応して、石炭生産能力過剰の解消を重要な課題とし、企業間の盲目的な悪性競争を避け、厳格な生産制限責任制を実施するとともに、生産制限の成果を人事評価の対象にしなければならない。

 第2に、中国の石炭企業は価格面で優位を占めるのみならず、石炭資源の十分な活用も重視しなければならない。石炭資源を燃料から原料へと転換させ、産業チェーンをローエンドからハイエンドに延伸し、化学工業の拡大強化を推進することが中国石炭産業の構造調整にとって戦略的方向性になる。

 (中国煤炭資源網 8月20日)