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中国
【石油・天然ガス】

価格が中国の輸入パイプラインガスとLNGの消長を左右 (15/08/28)
2015/9/2
中国【石油・天然ガス】

 中国の天然ガス需要が低迷する中、価格が勝ち残りの鍵になっており、そのことはLNG輸入量の増加とパイプラインガス輸入量の低下にも現れている。

 経済成長の鈍化と構造調整は中国のエネルギー需要に極めて大きな影響を及ぼしている。需要が萎縮する中で、低価格は輸入パイプラインガス、LNG及び中国国内シェールガスの生き残りにとって鍵になっている。

 このことはすでにLNG輸入量の増加とパイプラインガス輸入量の低下の形で現れている。税関総署が発表した統計によると、6月のパイプライン輸入量が低下したのに対し、LNG輸入量は前年同期比28.4%増加した。

 これはトルクメニスタンから輸入するパイプライン価格が東部地区の輸入LNG価格よりも高いことが原因であり、トルクメニスタンガスの輸入量は18.4%下がった。

 6月の輸入LNGはいずれも契約供給量であり、加重平均価格は9.55ドル/MMBTUであった。一方、プラッツ社のJKM指数の6月の平均取引価格は7.12/MMBTUであり、6月末には同価格は7.40ドル/MMBTU以上に上昇した。

 今後数年、中国の天然ガス供給は需要を上回ることになる。中国の天然ガス供給体系がすでに完備されており、様々なガス源からの天然ガスの間で機敏に切り替えが可能になっていることを考えると、価格面の差異が主要な影響要因になるだろう。

 中国国家統計局の統計によると、中国の今年上半期の経済成長率は7%であり、17年来の最低になった。一方、国内の天然ガス消費は2014年まで8.5%の伸び率を維持していたのが、2015年上半期の天然ガス消費量は前年同期比2.1%増の906億m3に止まった。2011年当時は、2015年の通年の天然ガス消費量について2,300億m3と予想されていたが、この見積もりは高すぎた。

 経済成長の鈍化や密集型産業のエネルギー消費の圧縮に伴い、2020年の中国の天然ガス需要予測はすでに数回にわたって下方修正されている。

 (輸出入サービス網 8月28日)