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中国
【石炭】

中国は引き続き石炭化学事業を発展 プラッツのアナリストが予想 (15/09/02)
2015/9/9
中国【石炭】

 石炭化学工業第13次5ヵ年規画の足音も近づく中、石炭化学事業に政策誘導が適用されることになる。プラッツ社の化学産業専門家によると、一部の石炭化学事業が先送りになったり中止されたりする可能性があるものの、全体的な背景を見る限り、中国が石炭化学への投資を継続する流れには変化はない。プラッツ社の観測によると、中国は事業投資の35〜40%をCTO(コール・トゥ・オレフィン)のような石炭化学事業に集中させるに違いない。もっとも、こうした事業の中で40%前後が撤回や延期になるが、石炭化学投資が長期的に減少することはない。プラッツ社のシニアアナリストHetain Mistry氏の見方によると、中国が石炭化学工業の発展を進めることには十分な理由がある。第1に、中国の石炭埋蔵量は充足しており、また、中国は化学製品の自給自足を願っている。つまり、国内の石炭資源を十分に活用して供給問題を解決するということである。第2に、エネルギー構造調整の視点から考えると、交通産業は石油の使用を主とするので、中国は今後石油化学産業において石油から石炭への転換を進め、石炭が代替した石油資源を交通産業へ投入することになる。

 このように石炭化学工業は見通し良好であるが、多くの問題も付きまとう。数百億元を投入した石炭化学事業の一部には運営に支障が頻発するケースがあり、環境問題や資源浪費問題も産業の発展を阻害している。具体的に見れば、石炭化学工業は生態環境に対して深刻な影響を及ぼし、CO2排出量が大きく、さらに水資源の浪費が極めて大きい。中国の環境保護技術では環境影響評価に及第することは保障し難い。また、輸送コストの問題もある。石炭化学工場の大多数は内陸部にあるが、製品需要は東部沿海地区に集中している。石炭化学事業の発展において中間の運輸コストを算入することは不可欠である。コストの抑制や環境汚染の要素を考えると、石炭化学事業はより大きな次元で負うべき責任に直面する。Hetain Mistry氏は、中国政府は石炭化学事業の社会収益を考慮しているとも指摘する。大型事業によって雇用問題の解決を図るということである。そうなれば、石炭化学工場の採算が取れるかどうかは考慮すべき問題の一つに過ぎなくなり、経済全体の発展を促進できるかどうか、同時に社会問題を解決できるかがより重要な要素になる。

 (中国証券網 9月2日)