9月17日に開かれた2015年中国国際石油化工大会のサブフォーラム「石油・ガス・化学工業『走出去』シンポジウム」によると、中国の石油化学産業は構造調整、産業構造の高度化、グリーン発展に特徴付けられる新しい発展段階へと進んでいる。同時に石油化学産業は中国の生産能力をめぐる国際協力の重点産業でもあり、「一帯一路」(陸と海のシルクロード)戦略は石油化学第13次5ヵ年規画において重点として位置付けられる。一群の協力事業を展開し、海外にいくつかの石油化学工業団地を建設する計画である。 シンポジウムに出席した専門家は、アジア、特に中国のM&A活動の活性化を受けて、世界の石油化学産業のM&Aは回復しつつあり、今後1年、取引規模の拡大が続くとの見方で一致した。 中国の石油化学工業は今や一定の国際競争力を備える戦略的基礎産業であるが、産業全体が市場需要の伸び率の低下、人件費の上昇、資源と環境面の制約拡大といった問題に直面していることは軽視出来ない。新たな市場空間と成長の動力源を模索し、「走出去」(対外進出)をペースアップし、生産能力をめぐる国際協力を推進することは必然の選択になる。 中国石油化学工業聯合会の副会長兼事務局長の趙俊貴氏は席上、中国政府が生産能力をめぐる国際協力の重点として、エネルギーと化学工業を位置付けていることを明らかにした。中国石油化学工業聯合会は「一帯一路」発展戦略を第13次5ヵ年規画の重点として取り上げることになる。「我々は一群の重点協力事業を展開して、一群の新興市場を開拓し、『走出去』を行なう一群の優良企業を育成し、中国の石油化学産業のグローバル配置を構築、完備し、対外貿易の新たな優位を育て、国際市場の新空間を開拓し、産業の国際協力レベルを高める」と趙俊貴氏は表明した。 将来の「走出去」においては、海外石油・天然ガス供給のキャパシティ・ビルディングを強化すると同時に、「一帯一路」の石油化学のフル産業チェーンをめぐる協力を推進する。ASEANを固め、中東での拡張を図り、中央アジアやロシアとの製油能力をめぐる協力を推進するとともに、海外資源を活用して海外でオレフィン事業を発展させる。さらに、天然ガスや石炭資源の豊かな諸国ではその資源優位を生かしてメタノールや下流製品を生産する。同時にSNG(代替天然ガス)や石炭液化など石炭深加工分野でも協力を進め、中国の石炭深加工技術、設備及びエンジニアリングの「走出去」を推進する。また、ゴム、リン、カリウム、化学肥料、農薬、燃料、塩素アルカリなど中国が伝統的に優位にある生産能力をめぐって協力を推進する。特に海外にいくつかの石油化学と化学工業の工業団地を建設する計画を重点的に進め、上流と下流を一体にした連鎖式の移転と集約型発展を推進する。 エンジニアリング、技術及び設備をめぐる協力を深めることや、対外貿易の新たな優位を育てることも重要な方向性になる。「一帯一路」沿いの諸国において貯蔵・輸送、港湾、電力、橋梁等のインフラの相互連結などエンジニアリングマーケットを開拓し、実証事業を確立し、中国ブランドを打ち立て、EPC請負の競争において優位を確立する。そうすることで、世界のM&A活動の回復にエンジンをもたらすことは間違いない。 中央企業は中国石油化学産業の「走出去」の先駆けであり、主力でもある。中央企業は資源、原料、生産、販売、サービス、物流・倉庫や研究開発のグローバルネットワークを基本的に構築している。一方、民営企業は海外への石油ガス、製油、化学工業等への投資に積極的であり、中国石油化学産業の海外投資とM&Aの重要なパワーになりつつある。 中国の石油化学企業の「走出去」においては資本の運用方式が重要な一環になることは間違いない。中国最大の海外向け投融資協力銀行である国家開発銀行は「一帯一路」戦略を視野に、長期的な追跡情報を確立しており、64ヵ国、900件余りの事業に関与し、投資額は8,000億ドル以上に上る公算である。2014年末時点で国家開発銀行が支援する「一帯一路」事業はすでに400件を超えている。分野はエネルギー、鉱業、交通インフラ、設備製造、工業団地等々を網羅し、貸付残高は900億ドルを超えている。 (中国新聞網 9月18日)
9月17日に開かれた2015年中国国際石油化工大会のサブフォーラム「石油・ガス・化学工業『走出去』シンポジウム」によると、中国の石油化学産業は構造調整、産業構造の高度化、グリーン発展に特徴付けられる新しい発展段階へと進んでいる。同時に石油化学産業は中国の生産能力をめぐる国際協力の重点産業でもあり、「一帯一路」(陸と海のシルクロード)戦略は石油化学第13次5ヵ年規画において重点として位置付けられる。一群の協力事業を展開し、海外にいくつかの石油化学工業団地を建設する計画である。
シンポジウムに出席した専門家は、アジア、特に中国のM&A活動の活性化を受けて、世界の石油化学産業のM&Aは回復しつつあり、今後1年、取引規模の拡大が続くとの見方で一致した。
中国の石油化学工業は今や一定の国際競争力を備える戦略的基礎産業であるが、産業全体が市場需要の伸び率の低下、人件費の上昇、資源と環境面の制約拡大といった問題に直面していることは軽視出来ない。新たな市場空間と成長の動力源を模索し、「走出去」(対外進出)をペースアップし、生産能力をめぐる国際協力を推進することは必然の選択になる。
中国石油化学工業聯合会の副会長兼事務局長の趙俊貴氏は席上、中国政府が生産能力をめぐる国際協力の重点として、エネルギーと化学工業を位置付けていることを明らかにした。中国石油化学工業聯合会は「一帯一路」発展戦略を第13次5ヵ年規画の重点として取り上げることになる。「我々は一群の重点協力事業を展開して、一群の新興市場を開拓し、『走出去』を行なう一群の優良企業を育成し、中国の石油化学産業のグローバル配置を構築、完備し、対外貿易の新たな優位を育て、国際市場の新空間を開拓し、産業の国際協力レベルを高める」と趙俊貴氏は表明した。
将来の「走出去」においては、海外石油・天然ガス供給のキャパシティ・ビルディングを強化すると同時に、「一帯一路」の石油化学のフル産業チェーンをめぐる協力を推進する。ASEANを固め、中東での拡張を図り、中央アジアやロシアとの製油能力をめぐる協力を推進するとともに、海外資源を活用して海外でオレフィン事業を発展させる。さらに、天然ガスや石炭資源の豊かな諸国ではその資源優位を生かしてメタノールや下流製品を生産する。同時にSNG(代替天然ガス)や石炭液化など石炭深加工分野でも協力を進め、中国の石炭深加工技術、設備及びエンジニアリングの「走出去」を推進する。また、ゴム、リン、カリウム、化学肥料、農薬、燃料、塩素アルカリなど中国が伝統的に優位にある生産能力をめぐって協力を推進する。特に海外にいくつかの石油化学と化学工業の工業団地を建設する計画を重点的に進め、上流と下流を一体にした連鎖式の移転と集約型発展を推進する。
エンジニアリング、技術及び設備をめぐる協力を深めることや、対外貿易の新たな優位を育てることも重要な方向性になる。「一帯一路」沿いの諸国において貯蔵・輸送、港湾、電力、橋梁等のインフラの相互連結などエンジニアリングマーケットを開拓し、実証事業を確立し、中国ブランドを打ち立て、EPC請負の競争において優位を確立する。そうすることで、世界のM&A活動の回復にエンジンをもたらすことは間違いない。
中央企業は中国石油化学産業の「走出去」の先駆けであり、主力でもある。中央企業は資源、原料、生産、販売、サービス、物流・倉庫や研究開発のグローバルネットワークを基本的に構築している。一方、民営企業は海外への石油ガス、製油、化学工業等への投資に積極的であり、中国石油化学産業の海外投資とM&Aの重要なパワーになりつつある。
中国の石油化学企業の「走出去」においては資本の運用方式が重要な一環になることは間違いない。中国最大の海外向け投融資協力銀行である国家開発銀行は「一帯一路」戦略を視野に、長期的な追跡情報を確立しており、64ヵ国、900件余りの事業に関与し、投資額は8,000億ドル以上に上る公算である。2014年末時点で国家開発銀行が支援する「一帯一路」事業はすでに400件を超えている。分野はエネルギー、鉱業、交通インフラ、設備製造、工業団地等々を網羅し、貸付残高は900億ドルを超えている。
(中国新聞網 9月18日)