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【石炭】

国家発展改革委員会が石炭生産能力の厳重規制で2件の文書を通達 (15/09/21)
2015/9/25
中国【石炭】

 9月18日、国家発展改革委員会は石炭生産能力の厳重な規制、石炭需給バランスの回復、石炭産業の苦境脱却、そして石炭産業の健全な発展を目的として、2件の文書を通達した。

 発展改革委員会によると、近年、石炭需要の伸び率が大幅に下がり、供給過剰ギャップがますます突出している。中長期的に中国の経済成長は「新常態」に入り、エネルギー消費強度の低下が続く。新エネルギーが急速に発展する一方、石炭需要の伸びは頭打ちになる。しかし、その一方で、高度成長期に着工された炭鉱の規模は大きく、その生産能力は年々稼動に入っている。また、一部地区は違法建設の炭鉱が多いが、炭鉱の市場退出の仕組みが完備されておらず、市場の自発的な仕組みに依存する需給バランスは一連の制約に直面している。そのため、発展改革委員会は《新規炭鉱建設事業の厳重な規制問題に関する通達》を公布した。

 この通達は、各クラス政府の事業許認可部門に対し、法規に従って新規炭鉱建設事業の許認可要件を厳正に審査するよう求めており、事業部署が合理的かどうかを炭鉱建設分野における当面のマクロ調節の重要な内容として位置付けている。

 今後一定の間は、東部地区では原則として新規炭鉱の建設は行なわない。中部及び東北地区は資源が枯渇した炭鉱の生産を引き続く事業を適正に建設する。西部地区は大型石炭電力基地と現代的石炭化学工業用の石炭需要に重点を置き、既存の炭鉱の生産能力を十分活用することを前提に、厳正に計画に従って新規炭鉱の建設を進める。

 事業許認可部門は上述の部署の要件に適合した炭鉱建設事業を審査にパスさせてはならない。石炭企業は要件に適合しない炭鉱建設事業の準備作業を一時停止し、地方の関係部門は所轄地区の石炭企業に対する指導を強化し、要件に適合しない炭鉱事業の許認可を行なわない。

 また、発展改革委員会によると、近年の石炭市場の供給過剰によって石炭経済が困難を増す中、一部の地区及び石炭企業の違法炭鉱建設問題が際立っている。石炭総量をより一層規制し、石炭企業の建設活動を規範化し、石炭産業の苦境脱却を促進するため、発展改革委員会は《炭鉱の違法建設の厳正な管理問題に関する通達》を公布した。

 同通達は、石炭建設分野の違法行為に対する管理を強化し、法に基づいて炭鉱の違法建設を処理することは、法に基づく行政を堅持し、政府に対する信頼を維持し、公平な競争発展環境を創造する上で重要な施策であるとし、石炭需給バランスを促進する上でも差し迫った必要性があるとしている、

 各産炭地区と石炭企業は石炭産業の苦境脱却に関する国務院の政策部署を貫徹、実施し、法治意識、規則意識、大局意識を強固に確立して、違法建設行為を決然と回避、是正して、産業発展の良好な雰囲気を共同で創出しなければならない。

 各産炭地区と石炭企業は国家発展改革委員会、国家能源局、国家炭鉱安全監察局が2014年に公布した《炭鉱の違法建設並びに生産の全面調査と断固たる制止に関する緊急通達》の要求を真摯に実行に移し、違法炭鉱の建設と生産停止措置をさらに強化しなければならない。生産や建設の停止に応じない炭鉱については、各地の関係政府部門が関連法規及び《違法建設生産炭鉱に対する合同懲戒の実施に関する通達》に基づき、事業機関並びに関係責任者を処罰しなければならない。

 生産能力の圧縮の形式には、老朽化炭鉱の淘汰、赤字が深刻な炭鉱の閉鎖(又は査定生産能力の削減)、資源枯渇炭鉱の閉鎖(又は査定生産能力の削減)などがある。生産能力の圧縮規模は原則として違法炭鉱の新規年産能力の30%以下とする。省・自治区・直轄市に跨る事業の老朽化生産能力の淘汰については、生産能力圧縮規模を状況に応じて5〜10ポイント引き下げることが出来る。

 石炭生産を行なっている省・自治区・直轄市の発展改革委員会(能源局)と石炭産業管理部門は、他の関係部門とも協力して炭鉱建設秩序の規範化を進めなければならない。

 (中国煤炭資源網 9月21日)