ブルームバーグの報道によると、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは中国石油天然ガス集団(CNPC)からの小売・製油等の資産買収案件でドイツ銀行にコンサルティングを要請した。この買収案件は数十億ドルに達する可能性もある この伝聞について「毎日経済新聞」は未だCNPCからの公式回答を得ていないが、業界関係者によると、サウジアラムコとCNPCはすでに石油化学等の事業をめぐって協力しており、今回の両社の協力は単純な資産買収ではなく、株式、資金、石油・天然ガス資源など様々な側面で協力の可能性を試みるものになるかもしれない。 両社の協力をめぐる交渉は始まったばかりであるが、CNPC内部関係者は記者の取材に対し、CNPCにとって中流と下流の競争分野の開放と混合所有制改革は今後の改革の大きな方向性になり、そのため、サウジアラムコと中流・下流の資産をめぐる協力で合意することは決して意外ではないと指摘した。 ブルームバーグの報道によると、多くの消息筋はサウジアラムコがCNPCから営業、小売や製油資産の買収のため準備を進めていると指摘する。両社の取引は数十億ドルに達する可能性があるが、最終的に合意がなるかどうかは今のところ不透明である。 サウジアラムコは世界最大の石油生産企業であり最大の石油輸出企業でもある。また、世界第6位の石油精製企業である。2012年、サウジアラムコは「アラムコアジア」を設立し、その本部を北京に設けると発表した。 アモイ大学エネルギー経済協同イノベーションセンターの林伯強主任は、この協力が成功すれば両社にとってウィン・ウィンの成果になるとし、「サウジアラムコは上流中心の企業であり、当面の低油価の下では、中流と下流への進出が戦略的な発展方向の一つになる。中国の石油・天然ガス市場は需要とポテンシャルが十分大きく、したがって、中流と下流の発展で中国を選ぶことは間違いのない選択だ。また、CNPCにとっても、サウジアラムコとの協力を実現することになれば、石油供給源をめぐる問題でも少なからぬ改善が可能になる」と述べた。 前出の業界関係者は「毎日経済新聞」記者に対し、「サウジアラムコには下流でより多くの資源を拡張する意図がある。中国の市場ポテンシャルは極めて大きい。両社が株式、資金、石油・天然ガス資源など様々な側面で協力する可能性は排除できない」と告げた。 サウジアラムコが中国の石油メジャーと協力するのは今回が初めてではない。また、CNPCとの協力も今回が初めてではない。サウジアラムコのハリド・アル・ファリハCEOは以前、メディアの取材に対し、「将来中国のあらゆる省においてサウジアラムコの名前を目にするようになることを願っている」と表明していた。サウジアラムコは2007年に中国石油化工(SINOPEC)並びに福建省と協力を展開して、福建に合弁会社2社を設立した。資本金18.4億元の中石化森美(福建)石油有限公司と総投資額316億元の福建聯合石油化工有限公司であり、サウジアラムコは前者の株式の22.5%、後者の株式の25%を占めている。これにより、サウジアラムコは福建に製油化学から石油製品販売に到る中流・下流一貫産業チェーンを構築した。 ICISのエネルギー研究総監である李莉氏によると、福建におけるサウジアラムコとSINOPECの協力が成功したことは、多くの外国石油ガス企業から羨望されている。「多くの外資企業は中国の中流・下流資源に関心を有しているが、良好な協力方式を未だ見出せていない。中国の石油ガス企業は原油資源やキャッシュが不足し、一方、外資は中流・下流の産業発展を広げることを希望している。今後、同じような協力が達成出来ば、もっと多くのウィン・ウィンの局面を目にすることになろう」と李莉氏は言う。 サウジアラムコはCNPCとも石油化学産業をめぐって若干の協力を行っている。2012年初頭、CNPCはサウジアラムコと共同で製油所を建設すると発表し、すでに稼動させている。 「CNPCにとって、中流と下流の競争的分野を開放することは大きな流れになる」とCNPC内部関係者は言う。「CNPCは職員等の面で負担が比較的大きい。一部資産を放出して混合所有制改革を進めると、もっと良くなる。サウジアラムコとの協力が合意できれば、CNPCの混合所有制改革にとっても一定のメリットがある」。 CNPCとSINOPECだけでなく、地方製油所も石油・天然ガスをめぐって外資との協力交渉を進めている。今年3月末、山東東明石化集団は、カタールの企業2社が東明石化の権益の49%を買収することになったと発表した。資金は東明石化が着工を進めている数件の事業に充てる。主に東明石化●澤製油所周辺の6つの省に混合油、非石油製品、LNG又はCNGのステーション1,000件の建設と運営を進めることになる。 林伯強氏によると、当面の低油価の下では、上流資産であれ、下流資産であれ、実力さえあれば、買収する絶好のチャンスになる。「低油価は石油・天然ガスの業績不振をもたらすと同時に、石油・天然ガス資産の売買のチャンスももたらす。中国は今のところ最大の石油・天然ガス消費市場であり、そのため、外資系石油ガス企業にとって中国市場は十分な吸引力がある」。 (毎日経済新聞 10月8日) ●…草カンムリに「河」
ブルームバーグの報道によると、サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは中国石油天然ガス集団(CNPC)からの小売・製油等の資産買収案件でドイツ銀行にコンサルティングを要請した。この買収案件は数十億ドルに達する可能性もある
この伝聞について「毎日経済新聞」は未だCNPCからの公式回答を得ていないが、業界関係者によると、サウジアラムコとCNPCはすでに石油化学等の事業をめぐって協力しており、今回の両社の協力は単純な資産買収ではなく、株式、資金、石油・天然ガス資源など様々な側面で協力の可能性を試みるものになるかもしれない。
両社の協力をめぐる交渉は始まったばかりであるが、CNPC内部関係者は記者の取材に対し、CNPCにとって中流と下流の競争分野の開放と混合所有制改革は今後の改革の大きな方向性になり、そのため、サウジアラムコと中流・下流の資産をめぐる協力で合意することは決して意外ではないと指摘した。
ブルームバーグの報道によると、多くの消息筋はサウジアラムコがCNPCから営業、小売や製油資産の買収のため準備を進めていると指摘する。両社の取引は数十億ドルに達する可能性があるが、最終的に合意がなるかどうかは今のところ不透明である。
サウジアラムコは世界最大の石油生産企業であり最大の石油輸出企業でもある。また、世界第6位の石油精製企業である。2012年、サウジアラムコは「アラムコアジア」を設立し、その本部を北京に設けると発表した。
アモイ大学エネルギー経済協同イノベーションセンターの林伯強主任は、この協力が成功すれば両社にとってウィン・ウィンの成果になるとし、「サウジアラムコは上流中心の企業であり、当面の低油価の下では、中流と下流への進出が戦略的な発展方向の一つになる。中国の石油・天然ガス市場は需要とポテンシャルが十分大きく、したがって、中流と下流の発展で中国を選ぶことは間違いのない選択だ。また、CNPCにとっても、サウジアラムコとの協力を実現することになれば、石油供給源をめぐる問題でも少なからぬ改善が可能になる」と述べた。
前出の業界関係者は「毎日経済新聞」記者に対し、「サウジアラムコには下流でより多くの資源を拡張する意図がある。中国の市場ポテンシャルは極めて大きい。両社が株式、資金、石油・天然ガス資源など様々な側面で協力する可能性は排除できない」と告げた。
サウジアラムコが中国の石油メジャーと協力するのは今回が初めてではない。また、CNPCとの協力も今回が初めてではない。サウジアラムコのハリド・アル・ファリハCEOは以前、メディアの取材に対し、「将来中国のあらゆる省においてサウジアラムコの名前を目にするようになることを願っている」と表明していた。サウジアラムコは2007年に中国石油化工(SINOPEC)並びに福建省と協力を展開して、福建に合弁会社2社を設立した。資本金18.4億元の中石化森美(福建)石油有限公司と総投資額316億元の福建聯合石油化工有限公司であり、サウジアラムコは前者の株式の22.5%、後者の株式の25%を占めている。これにより、サウジアラムコは福建に製油化学から石油製品販売に到る中流・下流一貫産業チェーンを構築した。
ICISのエネルギー研究総監である李莉氏によると、福建におけるサウジアラムコとSINOPECの協力が成功したことは、多くの外国石油ガス企業から羨望されている。「多くの外資企業は中国の中流・下流資源に関心を有しているが、良好な協力方式を未だ見出せていない。中国の石油ガス企業は原油資源やキャッシュが不足し、一方、外資は中流・下流の産業発展を広げることを希望している。今後、同じような協力が達成出来ば、もっと多くのウィン・ウィンの局面を目にすることになろう」と李莉氏は言う。
サウジアラムコはCNPCとも石油化学産業をめぐって若干の協力を行っている。2012年初頭、CNPCはサウジアラムコと共同で製油所を建設すると発表し、すでに稼動させている。
「CNPCにとって、中流と下流の競争的分野を開放することは大きな流れになる」とCNPC内部関係者は言う。「CNPCは職員等の面で負担が比較的大きい。一部資産を放出して混合所有制改革を進めると、もっと良くなる。サウジアラムコとの協力が合意できれば、CNPCの混合所有制改革にとっても一定のメリットがある」。
CNPCとSINOPECだけでなく、地方製油所も石油・天然ガスをめぐって外資との協力交渉を進めている。今年3月末、山東東明石化集団は、カタールの企業2社が東明石化の権益の49%を買収することになったと発表した。資金は東明石化が着工を進めている数件の事業に充てる。主に東明石化●澤製油所周辺の6つの省に混合油、非石油製品、LNG又はCNGのステーション1,000件の建設と運営を進めることになる。
林伯強氏によると、当面の低油価の下では、上流資産であれ、下流資産であれ、実力さえあれば、買収する絶好のチャンスになる。「低油価は石油・天然ガスの業績不振をもたらすと同時に、石油・天然ガス資産の売買のチャンスももたらす。中国は今のところ最大の石油・天然ガス消費市場であり、そのため、外資系石油ガス企業にとって中国市場は十分な吸引力がある」。
(毎日経済新聞 10月8日)
●…草カンムリに「河」