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【石油・天然ガス】

ロシアが中国の天然ガス需要減少を憂慮 (15/10/09)
2015/10/14
中国【石油・天然ガス】

 ロシアの天然ガス産業は深刻な問題に直面している。欧州と中国のロシア産天然ガスに対する需要が低下する一方、内需はほとんど増加していない。採掘と輸送能力が過剰を来している中で、新規ガス田の開発やパイプラインの新規建設は徒に資金を浪費するリスクを招く。前途有望とされていた「シベリアの力」天然ガスパイプラインも無用の長物になる可能性がある。ロシアの政府系分析機関の専門家はこのような結論を下した。ロシアの天然ガス産業にとって、輸出需要の増加と高い天然ガス価格維持の期待がはずれ、極めて厳しい試練に直面する可能性が高い。

 数年前、ロシアは欧州のロシア産天然ガス需要が倍増するとともに、中国にも大きな需要が生まれることに期待を抱き、欧州向け価格で天然ガスを中国へ販売することに同意した。

 ロシアは「シベリアの力」パイプラインを敷設して中国に年間380億m3の天然ガスを供給することで合意し、現在「シベリアの力2」パイプラインの契約をめぐって準備を進めている。しかしながら、ロシアは欧州の天然ガス輸入が減少し、中国もそれほど多くのロシア産天然ガスを必要としなくなるとは思いも寄らなかった。

 ロシアの政府系分析機関のレポートは「中国の経済とエネルギー分野でここ数年、重大な変化が進みつつある。この2年、長期経済成長率の予想値は6.5%前後に引き下げられている。このことは世界の原料市況悪化の原因の一つになっている。一次エネルギー消費の伸び率は急激に下がっている」と指摘している。

 中国経済の減速によって2020年の天然ガス需要量の減少が東西2つのルートの計画供給量に匹敵する可能性もあるとエコノミストは警告している。

 (中国能源網 10月9日)