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中国
【石炭】

様々な困難が重なる中国無煙炭産業にとって転換こそが必然の道筋 (15/10/12)
2015/10/16
中国【石炭】

 中国の無煙炭は一般炭に比べると生産量が小さい。無煙炭が石炭資源総埋蔵量に占める比率はわずか10%程度に過ぎず、特に高品質の無煙炭は希少である、その一方で、中国の無煙炭の生産・消費量はいずれも世界で上位3位に入っている。無煙炭の用途は3つある。第1に化学工業用であり、メタノールや肥料などの原料になる。第2に発電用石炭であるが、コストが高く価格面で劣るため瀝青炭との競争力は弱い。第3に製鋼用であり、コークスに代用して付加価値を高めることが出来る。

 近年、中国の無煙炭産業は全体的に弱体化する傾向にあり、2012年に石炭の「黄金の十年」が終結して以来、価格は一貫して下がっている。例えば、主要生産地である山西省晋城地区の洗浄中型ブロックは2012年初頭の1,300元/トンから今では600〜700元/トンに下がり、ほぼ半分に下がったことになる。石炭価格の大幅な下落によって、大手国有企業の炭鉱は80%以上の稼動率を維持しているものの、それ以外の中小炭鉱の多くは生産量が5割足らずであり、しかも事態はさらに悪化している。

 生産能力の深刻な過剰、底の見えない価格の下落、下流のエネルギー多消費産業の需要縮小など、無煙炭産業は厳しい状況にある。特に今年は品質に優れ埋蔵量も豊かな無煙炭産地である山西省でも主要石炭企業は20ヵ月余り連続で赤字に陥っている。

 重なる困難の中で、石炭企業にとっては転換を進めることが自力救済の道筋になる。中国政府は30回以上にわたって救済措置を採ったが、石炭価格の下落ペースを抑えることは難しく、需給のアンバランスという根本問題を解決するしかない。第1に、量で価格を補うことによって悪性競争に陥るのではなく、生産を制限することで石炭生産量を減らして供給圧力を緩和し、政府の生産能力抑制対策に協調しなければならない。第2に物流過程で運輸コストを削減するとともに、ワンストップ式サービスによって顧客を獲得する。第3に、多元的な発展を進め、石炭を主としつつ、資源面の優位を発揮して、新型石炭化学工業や電子商取引等の新興分野を開拓し、リスク抵抗力を高める。

 (国家石炭化工網 10月12日)