1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

【第13次5ヵ年規画】石炭化学工業をいかにして発展させるべきか (15/10/14)
2015/10/16
中国【石炭】

 第13次5ヵ年規画は中国の石油化学工業が大国から強国へと転換する上で重要な時期に当たる。2020年には中国の石炭液化油年産能力は1,200万トンに達し、SNG(石炭由来代替天然ガス)は200億m3、CTOは1,600万トン、石炭由来芳香族炭化水素は100万トン、石炭由来グリコールは600万トンに達すると予想される。

 中国石油化学工業聯合会の李寿生常務副会長は、こうした目標を達成するためには、現代石炭化学工業がブレークスルーと転換に向けた新たな発展の道筋を歩むようにすることが必要になると表明する。ブレークスルーと転換に向けた新たな道筋とは、実証の高度化、部署の合理化、技術のハイエンド化、低公害で持続可能な発展を指す。

 実証の高度化

 第13次5ヵ年規画期においても現代的石炭化学開発事業の管理に当たっては、依然として規制を緩めるべきではない。石油化学工業が深刻な生産能力過剰状況にある中では、現代的石炭化学工業は「実証先行」を堅持しなければならない。但し、第13次5ヵ年規画期の「実証」は第12次5ヵ年規画のそれに比べると、管理のレベルを高まえ、技術をさらに先進的にものとし、投資収益をより一層優れたものにしなければならない。

 第13次5ヵ年規画期の「実証」が強調すべきは「実証の高度化」である。「実証の高度化」は技術の高度化に主眼を置いたものであり、こうした技術の高度化は主に先進的SNG技術、先進的合成技術、中核設備技術、末端製品の差別化技術及びコスト優位の高度化が焦点になる。

 部署の合理化

 第13次5ヵ年規画期においては「実証」事業の部署をめぐって、「原料に近く、市場に近く、化学工業団地に入居する」という3つの原則を堅持するとともに、「力量・水資源・環境キャパシティに応じて進める」ことを条件に、「規模の大型化、集中の優位、産業チェーンの合理化、製品の差別化の突出」という技術的特色を堅持しなければならない。

 技術のハイエンド化

 第13次5ヵ年規画期において、現代的石炭化学工業はハイエンド技術で重大なブレークスルーを遂げ、産業発展を制約する技術上のボトルネックを有効に解決して、産業競争における優位をさらに突出させることが求められる。

 「技術のハイエンド化」とは、まず、石炭ガス化技術のブレークスルーと最適化を通して合成ガスの下流のフレキシブルな加工技術をより合理的で多元的なものにする。次に、メタノール、オレフィン、芳香族炭化水素等との複合生産技術によってカーボン化学のより幅広い道筋を開拓する。さらに、技術イノベーションを通して、現在の同工異曲の末端製品構造を速やかに改め、末端製品のハイエンド化と差別化の新たな局面を形成する。

 第13次5ヵ年規画期は、CTO、石炭由来芳香族炭化水素、石炭由来グリコールなどポスト加工システムのハイエンドのブレークスルーを通して、化学工業新材料、建設用プラスチック、高機能繊維、高性能塗料等の生産技術でハイエンドのブレークスルーを実現し、中国の石油化学貿易の赤字局面の転換に寄与する。
 
 低公害で持続可能な発展

 低公害で持続可能な発展は中国の経済発展方式の重大な変革であり、現代的石炭化学工業の持続可能な発展にとっても必然の条件になる。環境保護と排出問題は現代的石炭化学工業に対する重大な制約要因の一つであり、この問題を解決できるかどうかが現代的石炭化学工業の前途と未来にも関わる。

 第13次5ヵ年規画期においては中国の現代的石炭化学工業が「ブレークスルー」と「転換」という新たな道筋を通して、総量抑制、技術の完備、排出削減を前提にしつつ、着実な成長に向けて新たな道に踏み出せるようにしなければならない。

 (中国能源網 10月14日)