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【エネルギー全般・政治経済】

今年の電力消費の伸び率は1%に低下も GDP当たりのエネルギー消費が引き続き低下 (15/10/20)
2015/10/27
中国【エネルギー全般・政治経済】

 最新マクロ経済統計によると、中国の第1〜第3四半期のGDPは6.9%のプラス、電力消費量は0.8%のプラスになった。電力消費量は経済の変化を反映する先行指標とされているが、権威筋は、経済成長の構造的変化に伴う電力消費量の伸び率低下は、中国経済の転換が徐々に効を奏し、GDP当たりのエネルギー消費の低下が続いていることを示すものであると指摘する。

 国家能源局の10月19日の発表によると、9月の電力消費量は4,563億kWh、前年同月比0.2%のマイナスになった。1〜9月の電力消費量は4兆1,344億kWh、前年同期比0.8%のプラス。うち第三次産業の9月の電力消費量は前年同月比6.2%のプラス、1〜9月は7.3%のプラスになり、過去最高の伸び率になった。

 中国電力企業聯合会の欧陽昌裕副事務局長によると、今年8月の電力消費量が上昇し、9月に低下したのは、昨年8月の電力消費量が1.5%のプラスに止まり、9月の伸び率が2.7%であったことが背景にある。今年9月の電力消費量が低下した主な要因として、第1に経済要因が挙げられる。8月の工業用電力消費量が4.8%のプラスであったのに対し、9月は2.9%のマイナスになった。第2に気候が涼しかったことがある。

 第3四半期の電力消費量の伸び率が予想を下回ったため、中国電力企業聯合会は2015年の電力消費量の予想伸び率を1%前後に下方修正した。欧陽昌裕副事務局長は第4四半期には電力消費量が安定回復すると予想する。

 10月19日に発表された第1〜第3四半期の経済統計によると、同期のGDP成長率は6.9%であった。第二次産業のGDP成長に対する寄与度は36.7%に下がり、一方、第三次産業の寄与度は58.9%に上昇して、過去最高になった。これは電力消費量の特徴変化と一致しており、このことはいずれも、中国経済モデルがサービス業を柱に牽引されるグリーン成長に転換していることを説明している。

 「経済成長が減速する中で、第三次産業は急速に発展し、電力消費の伸び率も高い。これまでの統計によると、産業構造が異なるため、第三次産業の単位GDP当たりの電力消費は第二次産業の3分の1から10分の1だ。中国の省エネ・排出削減が極めて大きな成果を上げ、GDP当たりのエネルギー消費が速やかに下がっていることが見て取れる」と欧陽氏は述べた。

 (中国証券網 10月20日)