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【石炭】

第13次5ヵ年規画の素案が形成 石炭化学工業の転換を誘導するものに (15/10/23)
2015/10/27
中国【石炭】

 石炭化学工業第13次5ヵ年規画の素案がすでに形成されている、同規画は、石炭のエネルギー効率の向上、石炭生産量の規制による需給ギャップの緩和、5種類のモデルの高度化実証とイノベーションの発展を明確に打ち出している。同時に石油化学や石油・天然ガス等の関連産業の発展や産業標準の制定を推進することになる。

 石炭化学工業第13次5ヵ年規画は産業の転換と高度化を迫り、品質・収益型に向けた発展を誘導するものになる。技術革新に依拠して、資源消費が少なく、技術が高く、品質と収益に優れ、グリーンで持続可能な発展の道筋を歩む。

 石炭化学工業は石炭産業の最適化とエネルギー構造調整の有効な道筋の一つとされているが、当面の中国の石炭化学工業は全体的に、闇雲な発展、製品の同質化、水資源や環境圧力などの問題に直面している。特に近年は国際油価の暴落や石炭化学製品価格の逆さやが産業に深刻な衝撃を及ぼしている。

 中国石化聯合会石炭化学工業専門委員会の胡遷林事務局長によると、石炭化学工業の大部分は加工転化の深度が十分でなく、下流の製品の多くは付加価値が低い初級製品であるなどの問題を抱えている。また、地方経済に対する牽引作用も弱い。これら地区が資源優位を経済優位に転化するためには、石炭化学工業事業を合理的に部署し、産業構造の調整を通して産業の高度化を実現することが最も有効な道筋になる。

 こうした状況に鑑み、石炭化学工業第13次5ヵ年規画は、製品の差別化、ハイエンド化、高付加価値化を発展の方向性とし、産業チェーンを延伸し、製品の幅を広げ、新たな石炭系化学品の開発を盛り込むことになる。

 国家能源局の李冶総経済師によると、国家能源局は5種類のモデルの高度化実証を提打ち出している。すなわち、石炭由来の超クリーン石油製品、低品位炭の段階・品質別の利用、SNG(石炭由来代替天然ガス)、石炭と石油の総合利用及び石炭由来重要化学品である。同時に科学的、合理的な部署を堅持し、資金力、技術力、人材や環境キャパシティに基づいて石炭化学工業の部署を進め、工業団地化、大規模化、フレキシブルな生産、製品の差別化といった方式と特色を堅持する。

 中国政府が許認可を行なった現代的石炭化学工業実証事業は合計27件、うちSNG事業が13件であり、611億m3/年の生産能力が完成、稼動している。石炭液化事業は8件で、生産能力は1,108万トン/年、CTO事業は6件、生産能力は510万トン/年になる。また、試験稼動、建設及びプレスタディ中の石炭液化事業は26件、CTO(MTO)事業は58件、SNG事業は67件に上る。これら全てが稼動すると、2020年には年間4,000万トンの石炭液化、4,100万トンのCTO、2,800億m3のSNG生産能力が形成されることになる。

 石油化学工業規画院の予測によると、第13次5ヵ年規画期末には中国石炭化学工業の石油及び天然ガスに対する代替率はいずれも12.5%に達する。

 胡遷林氏によると、今後数年、中国のCTOやグリコール等の基礎原材料は依然大きな不足が続き、石炭化学工業にとっては発展のチャンスである。一方、環境保護関連法規の徹底に伴い、各地方は粗放型石炭使用方式を徐々に淘汰することになり、石炭化学工業は石炭のクリーンで効率的な利用を実現する上で重要な道筋になる。

 業界関係者の指摘によると、今後、石炭化学工業はどの分野であれ、その発展スピードは石炭化学工業の技術進歩と石油需給状況及び関係する原材料価格の変動状況に左右されることになる。

 (中国煤炭資源網 10月23日)