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中国
【エネルギー全般・政治経済】

エネルギー・電力の過去10年の対外投資損失額は893億ドル (15/10/29)
2015/11/2
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国家発展改革委員会国際協力センターの劉建興副主任は過去10年間における中国の失敗した対外投資事業の中で、エネルギーと電力が失敗した金額の最も大きい業種であることを明らかにした。

 劉副主任によると、2005〜2014年における中国のエネルギーと電力事業の失敗した直接投資事業の金額は893億ドルに達し、同時期の失敗した全事業のうち36.3%を占めた。エネルギー・電力に次いで失敗事業の金額が大きかったのは金属鉱業であり、全体の27%を占めた。

 例えば、対モンゴル投資では、中国の投資企業は6,000社に上ると報道されているが、実際に登記した企業は3,700社余りに止まり、実際に運営されているのは200〜300社、利益を上げているのはわずか50社余りに過ぎない。

 「企業の対外進出を奨励する国の政策に乗じて、海外の鉱産資源への投資を名目に事業を起こして融資や補助金を騙し取り、実際には経営していない企業もある」と消息筋は指摘する。

 中国企業が海外投資に本腰を入れるようになってから日は浅い。企業の海外投資が国家戦略に格上げされたのは2000年のことである。

 中国企業の海外投資は現在国内経済の低下圧力にも直面している。

 2014年の中国の海外直接投資は1,000億ドルを突破して1,231億ドルに達し、3年連続で世界第3位に付けている。

 中国の海外M&Aの中でエネルギー・鉱産類の占める比率は2010年には61%であったが、2014年には16%に下がり、一方、テクノロジー、メディア、通信の比率は6%から21%に上昇した。

 しかしながら、ここ数年、多数の海外事業において数え切れないほどの不良投資が生まれ、中断され放置されている事業や稼動後も赤字続きの事業も極めて多い。商務部によると、海外投資企業の7割は赤字であるという。

 今後は「一帯一路」戦略の下で対外投資をさらに強化し、優越産業と余剰生産能力を「一帯一路」沿線諸国に移転することになるが、交通インフラはその重点の一つになる。しかし、過去10年の失敗した対外投資事業の中で交通分野の占める比率は9.9%に上っており、不動産、化学工業、ハイテク及び農業分野を著しく上回っている。

 劉副主任は、交通インフラ事業の失敗率が高いことは同分野の相互連携投資が収益は大きいもののリスクも高いことを意味しており、交通分野の対外投資事業のフィージビリティについてもっと慎重に検討するとともに、相手国政府との意思疎通を通して事業リスクを引き下げることが必要であると指摘した。
 
 (中国能源網 10月29日)