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【石油・天然ガス】

中国の軽油消費の低迷が深刻化 (15/11/04)
2015/11/12
中国【石油・天然ガス】

 軽油の消費は経済成長と密接に関連し、工業活動を反映する風見鶏になる。特に運輸、製造業、建設業等の業界は軽油消費との関係が密接である。国内経済の減速に伴い。昨年から国内の軽油消費が低下し始め、2015年第4四半期も引き続き市況は深刻な低迷を来たしている。

 国家統計局が10月19日に発表した統計によると、第3四半期のGDP成長率は6.9%になり、6年ぶりに7%を割った。中国経済の下降圧力は依然大きい。また、PPI(生産者物価指数)は数ヵ月連続でマイナスになり、過去最低を記録している。経済の下降圧力は軽油消費をますます抑制している。その上、今年以来、世界経済の成長も楽観を許さない。OPECの原油生産量は改めて最高を記録し、原油需給は全体的に緩和を維持している。今後とも国際油価の不確実性要因は多く、依然大きな下降圧力が存在している。

 同時に天然ガスや電気自動車など代替エネルギーが急速に発展し、非標準軽油や軽質重油といった隠れた資源が増えていることも標準軽油の消費に大きな抑制作用を及ぼしている。加えて閲兵式典の休暇と国慶節の休暇中に建設、物流・運輸や鉱工業など操業を停止した企業も多く、軽油需要が抑えられることになった。長期休暇が明けると、産業用や農業用の軽油消費が増加したものの、国内の実体経済の好転は難しく、軽油消費の低迷は依然続いている。

 国内消費が低迷する中、中国は競うように軽油の輸出を進め、輸出記録の更新が続いている。中国税関統計によると、8月期の軽油輸出は前年同月比77%増加して、過去最高の72.25万トンに達した。さらに9月期の軽油輸出は前年同月比391.6%の増加になり、111万トンを記録した。

 (中国石油新聞中心 11月4日)