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中国
【原子力】

中核のアルゼンチン原子力発電所建設契約 原子力の「走出去」には大きな経済波及効果 (15/11/16)
2015/11/16
中国【原子力】

 中国は整った原子力工業体系を備える数少ない国の一つであり、近年、国内において原子力発電の建設規模を急拡大させているとともに、原子力発電の「走出去」(対外進出)でも初歩的な成果を上げている。

 現地時間11月15日、G20第10回首脳サミットの開催地であるトルコのアンタルヤにおいて、中核集団とアルゼンチン原子力発電公社がアルゼンチン重水炉原子力発電所の商務契約と加圧水型炉の枠組契約に調印した。これにより、中核集団とアルゼンチン原子力発電公社は共同でアルゼンチン第4及び第5原子炉の建設を進めることになる。「華龍一号」原子力発電技術がアルゼンチンに根を下ろす見込みである。

 中核集団は中国の原子力発電の技術と工業の主役であり、現在20ヵ国近くと原子力発電や原子力工業チェーンの協力をめぐって商談を進めている。中核集団は2012年にアルゼンチン原子力発電公社からAC1000技術合格資格証書を取得し、ここ1年でアルゼンチン事業を急速に推進してきた。

 中核集団総経理助理(社長補佐)の李暁明氏によると、今回調印された中国・アルゼンチン原子力発電事業は、英国の原子力発電事業と大きな違いがある。英国の事業は投資が主であり、その後で技術輸出を行なうことになるが、アルゼンチン事業では中国の「華龍一号」技術が市場を直接占拠することになり、重水炉であれ、加圧水型炉であれ、いずれも中国の生産能力牽引の面で顕著な効果を上げる。

 アルゼンチンが中国の原子力発電を選択した理由について、李暁明氏は、(1)中国とアルゼンチンの関係は極めて良好であり、貿易シェアがますます上昇している、(2)アルゼンチンにも原子力の基盤があり、南米の大国として中国との相互協力によって他の南米市場を開拓することを希望している、の2つの点を挙げた。

 「一帯一路」及びその周辺では60ヵ国以上が原子力発電の開発や計画を進めており、2030年には新規原子力発電設備は200基余りに達する。中国が「一帯一路」沿線において20%の市場シェアを占めるとすると、約20基の設備を輸出することになり、500万人の雇用を創出するだけでなく、全ライフサイクルで約3兆元の生産高を生むことになる。中核集団の銭智民総経理によると、「華龍一号」の開発に参加した企業・機関は60社余りに上り、「走出去」が実現すれば、国内の設備製造分野で大小様々な企業数百社にも波及する。「華龍一号」1基の輸出額は控えめに見積もっても300億元になり、自動車30万台の輸出に相当する。原子力発電設備の輸出が自動車と異なる点は、輸出後も燃料、技術、保守等の支援サービスを行い、全体で1,000億元前後の売上になる。設備の輸出は産業構造の調整や高度化にとって極めて大きい意義を有している。

 (新浪財経 11月16日)