1. HOME
  2. 中国 【原子力】

中国
【原子力】

中国の原子力発電の「走出去」はアセアン諸国のニーズに高度にマッチ (15/11/20)
2015/11/20
中国【原子力】

 第2回東アジア首脳会議クリーン・エネルギー・フォーラムの原子力サブフォーラムが11月19日、海口で開催され、中国原子力産業協会の張華祝理事長は次のように表明した。過去10年間で中国の原子力発電の研究開発能力の増強が進み、原子力発電の独自ブランドは実証応用段階に進んでいる。中国の原子力発電設備の製造、事業管理及び建設能力、核燃料供給能力は急速に向上し、関連作業に対する波及効果は顕著であり、原子力発電の「走出去」(対外進出)に向けて厚い基礎が固まっている。

 国家能源局は11月11日、第13次5ヵ年規画期の中国のエネルギー発展は「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)の建設に重点を置き、周辺諸国及び「一帯一路」沿線諸国とのエネルギー協力を強化し、原子力発電、水力発電、火力発電及び超高圧送電の「走出去」を引き続き推進することを明らかにした。

 張華祝理事長は中国の原子力発電の「研究開発と設計能力は高く、独自ブランドが備わっている。産業チェーンは完備され、資金支援も十分にある。こうした優勢は『走出去』に向けて好ましい条件を生み出している」と述べつつ、原子力発電の「走出去」にはチャンスとチャレンジが並存し、米国や日本等の先発国との競争圧力の他にも、独創段階の独自ブランドが市場の認知を受けるのはこれからであると指摘した。

 ASEAN諸国の新エネルギー需要は日増しに大きくなっている。ASEANエネルギーセンターのSanjayan Velautham所長は中国とASEANの原子力発電をめぐる協力の見通しに楽観的な態度を示し、「現在ASEAN諸国はエネルギー供給の多元化を推進し、化石エネルギーに対する依存を減らそうとしている。このことは協力を進める上で現実的な考慮になる」と述べ、ASEANの多くの国が今後原子力の利用で打開を実現し、資金、技術や人材等の需要が高まると、中国の原子力発電「走出去」戦略とのマッチングが強まるとした。

 「高速鉄道はインドネシアで中国の技術が応用される初めての試みになる。次は原子力発電技術で協力できるよう希望している」とインドネシアPT Industri Nuklir Indonesia (INUKI)のYudiutomo Imardjoko CEOは述べ、中国の原子力発電技術の発展は国際規格を遵守しているとし、インドネシアは10年以内に初の原子力発電所を建設する予定であり、中国の原子力発電「走出去」戦略との協力を強化したいと表明した。

 国家能源局原子力発電司の秦志軍副司長は次のように表明した。目下タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム等のASEAN諸国が原子力発電開発計画を策定しており、中国の提唱する「一帯一路」建設イニシアチブと高度にマッチし、すでに一連の協力が展開されている。中国は原子力発電の安全な開発をめぐって、各国と全方位的な協力関係を確立し、各レベルの実務協力のチャンネルを通して、各自の発展のノウハウと成果を共有することを望んでいる。

 (中国新聞網 11月20日)