1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

ペトロチャイナが天然ガス業務を再編 改革に向け第一歩 (15/11/27)
2015/12/3
中国【石油・天然ガス】

 中国最大の石油企業である中国石油天然ガス株式有限公司(PetroChina)はすでに天然ガス業務の再編に手を着けており、各方面から長らく待望されていた改革へ向け第一歩を踏み出した。最終的には石油・天然ガスパイプライン専門の独占企業が誕生する見込みである。

 ペトロチャイナは中国石油天然ガス集団(CNPC)の上場子会社である。ペトロチャイナによると、同社は3本の中央アジア大型ガスパイプラインの持ち株、都市ガス業務及び6ヵ所の地下ガス貯蔵施設を売却することになり、この資産再編案の取引価額は少なくとも30億ドルに上る。

 上述のパイプラインに対するペトロチャイナの持ち株は150〜155億元(約23〜24億ドル)になり、国有持ち株会社の中国国新控股(China Reform Holdings)に売却する。

 ペトロチャイナの年度投資利益率はこれまで国際油価の下落や今月初めの天然ガス公定価格引き下げの影響を受けて芳しくなかったが、今回の資産売却によって押し上げられることになる。

 ペトロチャイナの今回の措置は国有集団系上場公司の「伝統」であり、財務業績を公開する必要がない親会社のアセット・スワップによって利益の充実を図るものである。

 パイプラインの株式譲渡は、独立した国有パイプライン独占企業の設立に向けた地ならしになる公算である。改革派は国有パイプライン独占企業の設立を一貫して主張してきたが、これまでCNPCとSINOPECの2大国有石油集団からは黙殺されてきた。

 独立したパイプライン独占企業を創設することで、民営企業や小規模国有企業の天然ガスの開発や販売への参入が緩和される。

 中国は一次エネルギー構造の中の天然ガスの比重を拡大し、現在の約5%から2020年には10%に引き上げることも計画している。これは、石炭の使用を減らして都市の大気汚染を緩和する対策の一つでもある。天然ガス公定価格の引き下げは天然ガス需要を喚起することが目的である。

 都市ガス資産はCNPCの子会社で香港に上場している崑崙能源(Kunlun Energy)に移される。バークレイズの予想によると、この業務の価値は最高50億ドルに上る。

 ペトロチャイナが約35億元と見積もる地下ガス貯蔵施設はCNPCに移されることになる。

 (新浪財経 11月27日)