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【石炭】

中豪FTAが12月20日発効 豪州炭のFOB価格に影響も (15/12/10)
2015/12/16
中国【石炭】

 中国とオーストラリアの自由貿易協定(FTA)が2015年12月20日に正式発効して第1回の関税引き下げが行われ、2016年1月1日には第2回の引き下げが行われる。中豪FTAの発効後、オーストラリアから輸入する一般炭に対する関税は6%から4%に下がり、2年後にはゼロ関税になる。また、オーストラリアから輸入する原料炭の関税は3%からゼロ関税に下がる。

 関税引き下げの効果は一般炭よりも原料炭の方がより大きなものになるだろう。その理由として、原料炭の関税引き下げ幅が大きいことと、中国の原料炭輸入の中で豪州炭のシェアが5割に達し、一般炭の33%を上回っていることが挙げられる。また、オーストラリアの一般炭に対する中国の関税は3年以内にゼロになるが、中国市場に対する影響は限られる。なぜなら、3年間あれば、中国の一般炭企業の再編と高度化が進み、国内石炭企業を保護するという中国政府の希望が叶うからである。

 中豪FTA交渉は2005年4月に始まり、2015年6月にFTAが調印された。FTAにはオーストラリアが中国へ輸出する原料炭と一般炭などエネルギー・資源に対する関税を2年以内に免除することが規定されている。中豪FTAは12月20日に発効したが、発効から中国税関総署の通達と執行まで一定の時間とプロセスを要する。関税改訂の時期が豪州炭のFOB価格に影響することになり、中国の輸入業者は当面豪州炭の調達を控えるだろう。

 (和訊先物 12月10日)