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中国
【石炭】

輸出停止と値上げ制限 石炭企業に二重の打撃 (08/01/31)
2008/1/31
中国【石炭】

 昨日、石炭関連株が大幅に下落したが、業界筋によると、これは交通部が石炭輸出を一時停止したことと、発展改革委員会が石炭価格の高騰を注視し、場合により価格の制限も視野に入れていることが背景にある。

 石炭輸出の一時停止

 交通部は先頃通達を出し、旧正月及び全人代会期中に石炭輸出を一時停止するよう求めた。このところ、国際市場、国内市場いずれも石炭価格の上昇が続いており、1月25日までの1週間で、日本、韓国、台湾の石炭基準価格は3.9%上昇して、93.35ドルの過去最高値となった。

 国際市場と中国国内市場の石炭価格の差が大きくなると、国内石炭企業の輸出意欲は一層旺盛になる。2007年の中国の石炭輸出は前年比1,000万トン減の5,317万トンになり、石炭輸入は5,098万トンに達したが、しかし、第4四半期に国際石炭価格が大幅に上昇したため、石炭輸出量は顕著な回復を示し、中国は石炭純輸出国に戻った。

 交通部筋は、中国の石炭輸出量は決して大きなものではないが、対外輸出用の石炭輸送を一時停止することで、国内の発電用石炭輸送にすべての輸送力を振り向けることが出来るとしている。

 価格高騰に制限も

 石炭の逼迫は物価騰貴を昂進させる。国家発展改革委員会(NDRC)が先頃発表した報告書によると、昨年12月には全国の市場で一般炭の取引価格が上昇を続け、一部の仲買企業が買占め、売り惜しみによって価格を釣り上げるような方法を取ったため、石炭不足はますます深刻化した。

 この数年、石炭価格の市場化が急速に進み、石炭価格に対する政府の干渉はますます弱まっている。国務院は、電力価格、石油価格等の値上げを当面してはならないとしていたが、石炭価格の上昇に対しては否定的態度を取っていなかった。

 しかし、最近NDRCの態度には明らかな変化が生じている。NDRC経済運行局の朱宏任副局長は、石炭価格は需給関係によって決定されるとしつつも、もし石炭価格が大幅に急騰して、物価全体に大幅な変動をもたらす場合、価格部門は関連規定に基づいて措置を取る必要があると表明した。

 神華集団、中煤能源集団等の大型石炭企業は政府の要請に応えて、石炭生産を強化し、石炭需給ギャップを緩和することに努めているが、石炭輸出の停止措置や政府が価格制限を示唆したことなど、企業活動に対する制約と打撃は大きい。

 (中国証券報 1月31日)