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【電力】

電力過剰が第13次5ヵ年規画期に一貫して続く (16/01/12)
2016/1/20
中国【電力】

 電力過剰は第13次5ヵ年規画期において一貫して続く可能性もある。

 中国電力企業聯合会の王志軒事務局長は《中国電力企業管理》と題する論文を発表し、電力の相対的過剰傾向が速やかに到来し、石炭火力発電の発展の余地が急速に狭まるとの判断を示した。

 王志軒事務局長は第13次5ヵ年規画期の電力事業の発展動向について、電力と国民経済の関係から見て、電力は経済発展に対比して「相対的過剰」になるとの見方を示した。王氏はその主な原因について、電力需要の通常を超える減速と供給の惰性的増加を上げ、電力需要の鈍化は大きな流れであるとしている。

 電力過剰は2015年において絶えず問題提起されていた。昨年末の全国エネルギー工作会議において努爾・白克力(Nur Bekri)国家能源局長が行った説明によると、2015年の中国のエネルギー総消費量は43億tce(標準炭換算トン)、前年比の伸び率は0.9%に止まり、1998年以来の最低になった。また、2015年の電力消費量の伸び率は当初の予想の1%を下回り、0.5%になると予想される。

 電力消費の伸び率の低下と同時に電力過剰も俎上に上っている。努爾・白克力局長は「在来型エネルギーの生産能力過剰ギャップが激化し、石炭は長期的な生産能力過剰局面が続く可能性がある。電力過剰の兆しもますます顕著になっている」と述べた。

 電力消費の鈍化の一方で、電力使用構造の合理化が進んでいる。中国電力企業聯合会の統計によると、第二次産業の電力消費の比率は2011年の75%から2014年には73.6%に下がった。さらに2015年第1〜第3四半期は1.3ポイント下がり、うち4大エネルギー多消費産業の電力消費量の比率は前年同期に比べ0.9ポイント下がった。一方、第三次産業の電力消費量は持続的に増加し、2015年第1〜第3四半期の伸び率は前年同期を1.7ポイント上回って7.3%になった。

 しかしながら、石炭価格の低迷を受けて火力発電への投資が増え始め、2015年の新規火力発電事業は規模が極めて大きく、流れに逆らっているとして業界内の懸念を呼んでいる。

 但し、電力過剰については、発展改革委員会能源研究所の韓文科所長は、中国の1人当たりの電力設備容量や電力消費量は欧米や日本に比べると依然低い水準に止まっており、電力設備には依然発展の余地があるとしている。

 (一財網 1月12日)