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中国
【石炭】

2016年も石炭経営の苦境が続く公算 (16/01/22)
2016/1/29
中国【石炭】

 2012年下半期以来、中国の石炭市況は急激に低下したが、その根本的原因は石炭生産能力の余りにも急速な拡張と稼動にあり、生産能力過剰はますます深刻になっている。中国報告大庁(www.chinabgao.com)は次のように、2016年も石炭経営の苦境が続く確率が高いとの見方を示している。

 石炭生産能力の急速な拡張の背後には石炭需要の著しい鈍化がある。2014年の全国の石炭消費量は前年比2.9%下がり、2015年には約4%下がると予想される。供給と需要のアンバランスのため中国の生産能力過剰はますます深刻になっている。

 2016年の中国経済の安定成長は多重の困難と様々な面からのチャレンジに直面する。経済下降圧力の拡大、構造調整、経済の転換、環境管理など多重的な要因が重なって、石炭需要のさらなる減少が予想される。

 加えて、国内生産能力の稼動と輸入炭の圧力がさらに増大し、市場の供給過剰ギャップはますます突出する。

 当面の産業動向に関する研究と考察から見て、石炭産業は非常に厳しい経営状況に直面する公算である。2016年の中国経済全体の脱生産能力と在庫解消が石炭産業に不利な影響を及ぼすことになると考えられる。

 また、投資戦略の見地からすると、石炭産業の景気サイクルは依然不確実性の高いリスクの中で推移し、投資計画に当たっては慎重を要する。中国報告大庁の研究から、2016年も石炭経営の苦境が続く確率は高いと予想される。

 中国煤炭工業協会の統計によると、全国の大手石炭企業90社の総利益はわずか51.3億元であり、昨年に比べ500億元、約91%下がった。2015年1〜11月の全国の一定規模以上の石炭企業の主営業収入は前年同期比14.6%下がった。企業の利益は61.2%下がり、減益幅は2014年に比べ16.8%上昇した。

 中国煤炭工業協会の姜志敏副会長によると、これら大手石炭企業90社の石炭生産量は全国総生産量の69.4%を占め、産業全体で赤字企業の比率は95%に達している。

 総じて、石炭産業の生産能力過剰と価格問題が中長期的に続く中、政策レベルの誘導があるにせよ、2016年の状況については、大部分の企業が依然経営難に直面する確率が高い。

 (中国煤炭資源網 1月22日)