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中国
【石炭】

石炭の脱生産能力は必然の流れ 2017年には生産能力の純減も (16/01/28)
2016/2/8
中国【石炭】

 現行の生産能力

 国家能源局の統計によると、2015年6月末時点の全国の合法炭鉱の生産能力は合計34.2億トンになる。また、維良国家発展改革委員会副主任が明らかにしたこところでは、2015年の全国の炭鉱総生産能力は57億トンに達しており、うち正規・改修炭鉱が39億トン、生産停止炭鉱が3.1億トン、新規建設・拡張炭鉱が15億トンであり、違法炭鉱は180ヵ所、生産能力8億トンになる。安全生産上のリスクが潜在する炭鉱は225ヵ所、生産能力は約3.5億トン、公告生産能力を超過する石炭生産は2.8億トン、低品質石炭の生産量は全国で約4億トンに上る。

 新規生産能力

 2003〜2013年には石炭生産能力が急速に拡大した。石炭価格の上昇に伴って大量の民間資本が炭鉱建設に投入された。毎年の石炭新規生産能力は急速に増加し、2011年には過去最高の4.1億トンに達したが、2014年には2.95億トンに下がった。今後3年間、新規生産能力はさらに下がり、2015年の新規生産能力は2.2億トン、2016年は1.5億トン、2017年は1億トンになると予想される。

 生産能力の淘汰

 国は生産能力の淘汰を年々強化している。2016年から2年間は新規炭鉱建設事業の許認可を停止し、3年間かけて国有炭鉱300ヵ所を退場させ、3億トンの生産能力を淘汰するとともに、小炭鉱4,000ヵ所を閉鎖して老朽化生産能力4億トンを淘汰し、人員100万人を配置転換する。石炭生産能力の撤去1トンにつき、中央政府から100元、地方政府から50元の合計100元の政府奨励金を交付する。煤炭工業協会の姜智敏副会長によると、国は炭鉱4,900ヵ所余りを対象に10億トンの生産能力の閉鎖と淘汰を進める計画であり、1978年以前に建設され、資源枯渇が発生している炭鉱、閉鎖後に再編された炭鉱、9万トン以下の炭鉱などが対象になる。全国の炭鉱数は5,000ヵ所前後に抑える。国が引き続き老朽化生産能力の淘汰に対する監督管理を強化し、これに市場の自己調節も加わって、2017年には石炭生産能力に純減が生じる可能性もある。

 生産能力の統廃合 生産能力の集中度が低すぎるため合併再編が必然の流れに

 中国の石炭企業のCR4(上位4社の占める割合)は24%、CR8は34.7%であり、生産能力の集中度が低過ぎる。

 一方、国有地方炭鉱と民営企業の生産能力は合計8.7億トンに達しているが、炭鉱1ヵ所当たりの平均生産能力は30万トン足らずでしかなく、今後こうした炭鉱が合併再編と淘汰の重点になる。

 炭鉱年齢構造:20年以上の炭鉱は資源枯渇のため市場退出の重点になる。採掘開始から20年以上の老朽炭鉱の生産能力は9.6億トン、比率は37%に上る。これらの炭鉱は資源枯渇に直面し、生産量が低く、コストが高いなどの問題がある。老朽化炭鉱の生産能力約6億トンが淘汰される見通しである。

 建設中の生産能力:新規生産能力の建設は大型炭鉱にシフトさせ、中小炭鉱は改修に力を入れるかもしくは退出させる。登録されている全国の建設中の炭鉱生産能力2.7億トンの中で、90万トン以下の中小炭鉱はわずか5.4%に過ぎず、現在投資は主に大型炭鉱や超大型炭鉱にシフトしている。但し、90万トン以下の中小炭鉱は改修・拡張炭鉱数のうち76.2%を占めている。

 違法炭鉱の摘発を強化して実際の生産能力を圧縮

 全国の石炭生産量は36.8億トンであり、合法生産能力を2.66億上回る。山西や内蒙古など6省・自治区の公告生産能力超過の生産量は合計5.15億トンになり、今後の管理の重点になる。

 (中国能源網 1月28日)