1月中旬以来の大雪は石炭・電力・石油・輸送の逼迫をもたらしており、旧正月の帰省客の足に影響が及ぶだけでなく、中国経済に短期的な衝撃が及ぶことも避けられない。専門家の予測によると、大雪によって第1四半期のGDP成長率が0.5ポイント低下し、CPI(消費者物価指数)を0.3ポイント押し上げることも考えられる。大雪によって中国経済の脆弱な部分が鮮明になった格好である。 申銀万国のエコノミスト李慧勇氏は、大雪が中国経済に及ぼした影響は、2月と3月の中旬に発表される主要経済統計に現れるだろう。大雪による電力や原材料の供給中断、製品の輸送難は被災省の生産や輸出に重大な影響を及ぼしている。また、世界経済の成長率にも顕著な減速要因があることを考慮すれば、第1四半期の輸出の伸びは昨年第4四半期よりも6ポイント低い16.4%に下がると見られる。貿易黒字の伸びは4年ぶりに前年同期比でマイナスになる可能性が高い。工業生産高の伸びは昨年第4四半期より1.5ポイント低い16%程度に下がる。また、第1四半期の固定資産投資の伸びは昨年第4四半期と比べ4.1ポイント下がって20.5%前後になると見られる。 輸出、投資、工業生産高がいずれも減速するため、第1四半期のGDP成長率は「正常水準よりも0.5ポイント低い」10.1%になるが、第1四半期の成長率の減速は一時的なものであり、3、4月に投資の伸びが回復すると、第2四半期の成長率は顕著な反発を示すだろう。 1月期の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前の月よりも0.3ポイント高い6.8%になるだろう。旧正月を迎えることから、2月期のCPI上昇率は過去最高を記録し、7%を突破することになろう。但し、大雪が第1四半期のCPI上昇率を少なくとも0.3ポイント押し挙げ、第1四半期のCPI上昇率は控えめに見ても7%になる可能性がある。 ゴールドマンサックスのエコノミスト梁紅女史は、大雪による衝撃は一時的なものであり、中国経済に持続的な影響を与えるものではなく、経済サイクルに根本的な変化をもたらすものでもないと見ている。梁紅女史の考えでは、インフレ圧力をもたらさない潜在成長率は11%ではなく、9〜10%である。したがって、インフレを最終的に適切な範囲内に抑えようとするなら、全体の経済成長の手綱を現在よりもさらに緩める必要がある。 梁紅女史は、中国は貴重な資金を海外に投下するのではなく、国内の投資に当てるべきだと説く。なぜなら、交通・運輸や電力供給のボトルネックは深刻であり、中国は鉄道、空港、発電所や電力網など依然として巨額のインフラ投資が必要だからである。また、数十年にわたって都市の農村の格差を拡大してきた戸籍制度や農村の土地所有権問題や、都市と農村の乖離を支えてきた公共サービス政策(教育政策など)についても改革を行うべきである。 (中国証券報 2月1日)
1月中旬以来の大雪は石炭・電力・石油・輸送の逼迫をもたらしており、旧正月の帰省客の足に影響が及ぶだけでなく、中国経済に短期的な衝撃が及ぶことも避けられない。専門家の予測によると、大雪によって第1四半期のGDP成長率が0.5ポイント低下し、CPI(消費者物価指数)を0.3ポイント押し上げることも考えられる。大雪によって中国経済の脆弱な部分が鮮明になった格好である。
申銀万国のエコノミスト李慧勇氏は、大雪が中国経済に及ぼした影響は、2月と3月の中旬に発表される主要経済統計に現れるだろう。大雪による電力や原材料の供給中断、製品の輸送難は被災省の生産や輸出に重大な影響を及ぼしている。また、世界経済の成長率にも顕著な減速要因があることを考慮すれば、第1四半期の輸出の伸びは昨年第4四半期よりも6ポイント低い16.4%に下がると見られる。貿易黒字の伸びは4年ぶりに前年同期比でマイナスになる可能性が高い。工業生産高の伸びは昨年第4四半期より1.5ポイント低い16%程度に下がる。また、第1四半期の固定資産投資の伸びは昨年第4四半期と比べ4.1ポイント下がって20.5%前後になると見られる。
輸出、投資、工業生産高がいずれも減速するため、第1四半期のGDP成長率は「正常水準よりも0.5ポイント低い」10.1%になるが、第1四半期の成長率の減速は一時的なものであり、3、4月に投資の伸びが回復すると、第2四半期の成長率は顕著な反発を示すだろう。
1月期の消費者物価指数(CPI)の上昇率は前の月よりも0.3ポイント高い6.8%になるだろう。旧正月を迎えることから、2月期のCPI上昇率は過去最高を記録し、7%を突破することになろう。但し、大雪が第1四半期のCPI上昇率を少なくとも0.3ポイント押し挙げ、第1四半期のCPI上昇率は控えめに見ても7%になる可能性がある。
ゴールドマンサックスのエコノミスト梁紅女史は、大雪による衝撃は一時的なものであり、中国経済に持続的な影響を与えるものではなく、経済サイクルに根本的な変化をもたらすものでもないと見ている。梁紅女史の考えでは、インフレ圧力をもたらさない潜在成長率は11%ではなく、9〜10%である。したがって、インフレを最終的に適切な範囲内に抑えようとするなら、全体の経済成長の手綱を現在よりもさらに緩める必要がある。
梁紅女史は、中国は貴重な資金を海外に投下するのではなく、国内の投資に当てるべきだと説く。なぜなら、交通・運輸や電力供給のボトルネックは深刻であり、中国は鉄道、空港、発電所や電力網など依然として巨額のインフラ投資が必要だからである。また、数十年にわたって都市の農村の格差を拡大してきた戸籍制度や農村の土地所有権問題や、都市と農村の乖離を支えてきた公共サービス政策(教育政策など)についても改革を行うべきである。
(中国証券報 2月1日)