中国第2位の石油・天然ガス生産企業である中国石油化工(SINOPEC)傘下の分公司が山東省所在の油田4ヵ所を閉鎖することになった。SINOPECの半世紀の歴史において前代未聞のケースになる。
　
　中国石化勝利油田分公司は2月17日、小営、義和荘、套爾河及び喬荘の4油田を閉鎖すると発表した。これにより、1.3億元の経営コストを節約する。Sanford C.Bernstein & Coによると、SINOPECの上場企業である中国石油化工股フェン有限公司(Sinopec Corp.)の損益分岐点は原油価格1バレル50ドル以上である。

　Sanford C.Bernstein & Coの香港駐在アナリストであるNeil Beveridge氏は「SINOPECが今回コスト高の老朽油田を閉鎖すると、同社の今年の石油生産量は5〜10％下がる。SINOPECはこれまで過剰な投資によって老朽油田の生産量を維持してきたが、こうしたやり方は現在の油価水準では立ち行かないだろう」と指摘する。

　野村証券やSanford C.Bernstein & Coの分析によると、中国の今年の石油生産量は昨年の430万BDに比べ3〜5％下がる。7年ぶりのマイナスになり、マイナス幅は1990年以来最も大きいものになるだろう。

　（国際石油網 2月18日）