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【エネルギー全般・政治経済】

中国能源研究会が《中国エネルギー展望2030》を発表 (16/03/04)
2016/3/10
中国【エネルギー全般・政治経済】

 3月1日、中国能源研究会が《中国エネルギー展望2030》と題するレポートを発表した。このレポートは中国のエネルギーの生産、消費、貿易、インフラ建設や市場需給動向について総合的に展望、分析したものである。

 同レポートは次のような予想を示している。今後、エネルギー需要総量の伸び率が下がり、2020年の需要総量は48億tce(標準炭換算トン)、2030年は53億tceになり、2030年の1人当たりエネルギー消費量は3.9tceになる。中国のエネルギー需要の伸び率が下がる主な原因は、経済成長の鈍化、産業構造の高度調整及びエネルギー利用効率の向上である。

 また、同レポートは制度と技術の複合的な要因により、新エネルギーと再生可能エネルギーが引き続き発展するとして、次のように予想を示している。

 水力発電:2020年の総設備容量は約3.8億kW、発電電量は1.3兆kWhになる。さらに2030年には設備容量は4.5億kW規模に達し、発電量は約1.45兆kWhになる。

 原子力発電:2020年の中国の稼動中の原子力発電設備容量は5,300万kW、発電量は約3,800億kWhに達し、2015年の2.2倍になる。2030年には原子力発電設備は1.36億kW、発電電量は約1.45兆kWhに達する。

 風力発電:2020年には2.5億kWの規模を実現し、総電力設備容量に占めるシェア12.5%を目指す。2030年には4.5億kWに達し、系統連系電量は約9,000億kWhになる。

 太陽光発電:2020年に設備規模は約1.6億kWに達し、2014年の約6.4倍になって、総電力設備容量の8%を占める。発電電量は約2,000億kWhになる。2030年にはソーラー設備規模は約3.5億kWに達し、発電電量は4,200億kWhに達して、総発電電量の約5%を占める。将来の太陽光発電の発展においては分散型が重要な方向性になるだろう。

 すなわち、2020年には新エネルギーと再生可能エネルギーの発電設備規模は約8.6億kWに達し、総電力設備に占める比率は42.9%に達する。また、利用量は7.2億tceに達し、エネルギー消費総量に占める比率は15%になる。2030年には新エネルギーと再生可能エネルギーの発電設備規模は14.4億kWに達し、シェアは60%になる。利用量は11.7億tceに増え、エネルギー消費総量に占める比率は22%に達し、2020〜2030年のエネルギー消費の増加分の90%を占めることになる。

 (中国社会科学網 3月4日)