1. HOME
  2. 中国 【石炭】

中国
【石炭】

2016年稼動予定の複数のCTO事業が延期に (16/03/08)
2016/3/8
中国【石炭】

 2月17日の環境保護部の公示によると、中国石化長城能源化工(貴州)有限公司の年産60万トンのポリオレフィン事業は立地先、主要汚染物排出指標、大気環境への影響、廃水処理、衛生保護距離の設定の5つの面で問題があり、環境アセスメントにパスしなかった。

 この貴州織金ポリオレフィン事業だけでなく、もともと2016年の稼動が計画されていた久泰能源、青海大美、神華包頭二期、山西焦煤、大同煤業の各事業も2016年の実施が不可能になっている。

 業界関係者によると、原油価格が長期にわたり1バレル30ドル付近で低迷し、一方、石炭価格は相対的に堅調であり、石炭由来オレフィン事業は石油系オレフィンに対して利益上の優位が殆ど失われている。石炭化学事業の利益上の優位は昔日とは比べものにならず、投資熱は冷めている。

 また、稼動済みの石炭化学事業に一連の環境問題が発生し、2015年には最も厳しい環境保護法が公布され、国の関係政府部門も石炭化学事業に対する審査を厳格化している。

 さらに、中国経済が持続的に鈍化し、中央銀行は一連の貨幣刺激政策を採っているが、製造業の低迷と不振は相変わらずであり、銀行は融資を引き締め、一部企業は資金調達が計画通りに行かず、稼動計画の延期を余儀なくされる状況になっている。

 産業の発展動向から見ると、中国のCTO生産能力は技術上の制約を受け、汎用製品やローエンド製品に比較的集中している一方、ハイエンド製品が不足し、輸入に依存している。産業部署はアンバランスであり、供給面では改革に直面し、業界の再編も間近である。しかし、長期的に見た場合、CTO産業の生産能力の規制や合理的な生産能力の部署が進み、産業発展はより穏健なものになる。

 (中国煤炭資源網 3月8日)