税関総署が3月8日に発表した統計によると、中国の2月期の石炭輸出は91万トンに上り、前年同月に比べ48万トン、111.63％増加した。前月比では30万トン、49.18％の増加になった。

　国内市場の軟調を受けて、国際市場に目を向ける企業が増えている。加えて、国内炭価格の下落が続き、中国の石炭は国際市場における競争力を強めており、石炭輸出はここ3ヵ月連続で前年同月比、前月比ともにプラスになったが、数量的には依然低いレベルに止まっている。

　2月期の石炭輸出額は7,107.3万ドル、前年同月比45.34％増、前月比61.5％増になった。トン当たりの輸出単価は78.1ドルで前月比5.96ドル上昇したが、前年同月比では35.62ドルの下落である。

　中国の石炭輸出は2003年に過去最高の9,385万トンを記録したが、それ以降10数年にわたって年々減少してきた。その主な原因には政府が国内需要を賄うため石炭輸出を抑制し、輸出還付税の撤廃や輸出関税の課税を開始したことが挙げられる。財政部は2015年1月1日より全ての石炭輸出関税を10％から3％に引き下げたが、輸出の減少傾向は変わらなかった。

　現在、国際市場でも石炭生産能力は過剰であり、中国の石炭企業は生産コストと輸送コストが高いため、オーストラリアやインドネシアなどの石炭輸出大国には価格面で負けており、そのことも輸出が低迷している原因の一つである。

　さらに、中国の石炭資源は世界第3位であるが、1人当たりではロシアのわずか7.69％、オーストラリアの2.5％に過ぎない。可採期間はわずか33年であり、世界平均の112年をはるかに下回る。そのため、国は石炭輸出に対して慎重な態度を持することになる。
　1〜2月の中国の石炭輸出は合計152万トン、前年同期比129.2％増加し、輸出額は1億1,508万ドル、前年同期比54.4％増になった。

　また、2月期のコークス及びセミコークスの輸出量は88万トン、輸出額は9,559.1万ドル、1〜2月の輸出量は合計162万トン、前年同期比0.8％減、輸出額は1億8,202.5万ドル、前年同期比35.8％減になった。

　 (煤鉱網 3月9日)