国連安全保障理事会は1月6日の北朝鮮の核実験から2ヵ月を経て、新しい対北朝鮮制裁決議を採択し、金融、貿易、技術分野で更なる制限措置を採って、北朝鮮の核計画と弾道ミサイル計画の継続実施能力を弱めることにした。 貿易・物流分野について、決議は次のように規定している。 1. 全加盟国は北朝鮮から輸送されるかもしくは北朝鮮へ輸送される貨物が自国を通過する場合、必ず検査しなければならない。 2. 加盟国は自国の国民及び国内の人が北朝鮮の国旗を掲げる船舶もしくは航空機を賃借したり、北朝鮮に賃貸したりすることや北朝鮮設備に向けに人員や船員を提供することを禁止しなければならない。 3. 北朝鮮はその領土からあるいはその国民により、あるいはその国旗を掲げる船舶又は航空機に対して、石炭、鉄、鉄鉱石、黄金、チタン鉱石、バナジウム鉱石、レアアース鉱産物、ジェット燃料を直接、間接に供給、販売、譲渡してはならない。全ての国は本国国民が北朝鮮の旗を掲げる船舶もしくは航空機からこれらの材料を購入することを全て禁止しなければならない。 なお、決議は各国に対して北朝鮮の船舶もしくは航空機の賃借も禁止しており、「民生目的」の船舶もしくは航空機の使用も厳重に制限される。今回の決議では北朝鮮船舶31隻を制裁対象に指定した。 丹東港はすでに北朝鮮船舶の停泊を禁止し、そのため石炭貿易が影響を受ける可能性があると報道されていた。調査によると、北朝鮮の無煙炭の輸入量が大きい中国企業は、遼寧省、山東省など中国北方に集中している。中でも丹東港と日照港はいずれも北朝鮮炭の重要な中継港になる。最近の取材から北方の一部港湾が制裁決議の影響を受けていることが明らかになった。 山東省の輸入業者によると、丹東港では依然北朝鮮炭を輸送する船舶から荷揚げを行っている。北朝鮮の国旗を掲げる船舶は停泊を許可されないが、その他の船籍の場合は問題ない。大連の貿易業者によると、現在停泊を許されていないのは北朝鮮の船舶だけであるが、これは丹東港側が独自の規定に従って行っていることであり、上級政府部門の政策というわけではない。 市場には中国が北朝鮮炭の輸入を禁止するという情報が伝わっているが、北朝鮮炭の輸入を手掛ける貿易業者によると、日照港の北朝鮮炭輸入業務には未だ影響が出ておらず、北朝鮮炭の船舶は通常通り荷揚げを行っている。 北朝鮮の無煙炭を扱う大手輸入業者の山東エリアの担当幹部は、日照港の北朝鮮炭輸入業務には影響が出ていないが、丹東港の状況についてはあまり分からないと言う。また、北方の貿易業者によると、北朝鮮炭の貨物船は今週も盤錦港で荷揚げを行う予定である。国連の対北朝鮮制裁決議が正式に発効しても、それ以前に結ばれた契約は履行しなければならない。統計によると、中国が北朝鮮から輸入する石炭は1,958万トン、中国の石炭輸入総量の約10%を占める。 2015年には北朝鮮炭の輸入が大幅に増加した。これは主に北朝鮮炭の高いコスパや、ベトナムが無煙炭の輸出を減らしたことに原因がある。中国は無煙炭を主に北朝鮮とベトナムから輸入している。北朝鮮炭は一般に長江以北の地区に販売され、ベトナム炭は主に中国南部に販売される。しかしながら、近年はベトナム国内の無煙炭需要が大幅に増加し、対外輸出を減らしているため、2015年には中国が北朝鮮から輸入する無煙炭が大幅に増加した。 2015年の北朝鮮から中国への無煙炭輸出量は2,000万トン近くに上ったが、北朝鮮の石炭貿易が禁止されても、中国の無煙炭輸入には大きな影響は出ないと予想される。中国経済の状況が厳しくなり、鉄鋼や化学肥料など川下の需要が軟調であるからである。加えて、中国の石炭生産能力は深刻な過剰を来しており、北朝鮮の無煙炭に代替可能な炭種は多い。また、中国は2015年に北朝鮮から2,000万トン近くを輸入したものの、1ヵ月当たりではわずか160万トン前後であり、その一部は中国を中継してベトナム、日本や韓国等へ輸出されている。それゆえ、中国への無煙炭供給に対する影響は限られたものでしかない。 北朝鮮炭の主な中継港は丹東、日照、煙台等である。 (中国能源網 3月8日)
国連安全保障理事会は1月6日の北朝鮮の核実験から2ヵ月を経て、新しい対北朝鮮制裁決議を採択し、金融、貿易、技術分野で更なる制限措置を採って、北朝鮮の核計画と弾道ミサイル計画の継続実施能力を弱めることにした。
貿易・物流分野について、決議は次のように規定している。
1. 全加盟国は北朝鮮から輸送されるかもしくは北朝鮮へ輸送される貨物が自国を通過する場合、必ず検査しなければならない。
2. 加盟国は自国の国民及び国内の人が北朝鮮の国旗を掲げる船舶もしくは航空機を賃借したり、北朝鮮に賃貸したりすることや北朝鮮設備に向けに人員や船員を提供することを禁止しなければならない。
3. 北朝鮮はその領土からあるいはその国民により、あるいはその国旗を掲げる船舶又は航空機に対して、石炭、鉄、鉄鉱石、黄金、チタン鉱石、バナジウム鉱石、レアアース鉱産物、ジェット燃料を直接、間接に供給、販売、譲渡してはならない。全ての国は本国国民が北朝鮮の旗を掲げる船舶もしくは航空機からこれらの材料を購入することを全て禁止しなければならない。
なお、決議は各国に対して北朝鮮の船舶もしくは航空機の賃借も禁止しており、「民生目的」の船舶もしくは航空機の使用も厳重に制限される。今回の決議では北朝鮮船舶31隻を制裁対象に指定した。
丹東港はすでに北朝鮮船舶の停泊を禁止し、そのため石炭貿易が影響を受ける可能性があると報道されていた。調査によると、北朝鮮の無煙炭の輸入量が大きい中国企業は、遼寧省、山東省など中国北方に集中している。中でも丹東港と日照港はいずれも北朝鮮炭の重要な中継港になる。最近の取材から北方の一部港湾が制裁決議の影響を受けていることが明らかになった。
山東省の輸入業者によると、丹東港では依然北朝鮮炭を輸送する船舶から荷揚げを行っている。北朝鮮の国旗を掲げる船舶は停泊を許可されないが、その他の船籍の場合は問題ない。大連の貿易業者によると、現在停泊を許されていないのは北朝鮮の船舶だけであるが、これは丹東港側が独自の規定に従って行っていることであり、上級政府部門の政策というわけではない。
市場には中国が北朝鮮炭の輸入を禁止するという情報が伝わっているが、北朝鮮炭の輸入を手掛ける貿易業者によると、日照港の北朝鮮炭輸入業務には未だ影響が出ておらず、北朝鮮炭の船舶は通常通り荷揚げを行っている。
北朝鮮の無煙炭を扱う大手輸入業者の山東エリアの担当幹部は、日照港の北朝鮮炭輸入業務には影響が出ていないが、丹東港の状況についてはあまり分からないと言う。また、北方の貿易業者によると、北朝鮮炭の貨物船は今週も盤錦港で荷揚げを行う予定である。国連の対北朝鮮制裁決議が正式に発効しても、それ以前に結ばれた契約は履行しなければならない。統計によると、中国が北朝鮮から輸入する石炭は1,958万トン、中国の石炭輸入総量の約10%を占める。
2015年には北朝鮮炭の輸入が大幅に増加した。これは主に北朝鮮炭の高いコスパや、ベトナムが無煙炭の輸出を減らしたことに原因がある。中国は無煙炭を主に北朝鮮とベトナムから輸入している。北朝鮮炭は一般に長江以北の地区に販売され、ベトナム炭は主に中国南部に販売される。しかしながら、近年はベトナム国内の無煙炭需要が大幅に増加し、対外輸出を減らしているため、2015年には中国が北朝鮮から輸入する無煙炭が大幅に増加した。
2015年の北朝鮮から中国への無煙炭輸出量は2,000万トン近くに上ったが、北朝鮮の石炭貿易が禁止されても、中国の無煙炭輸入には大きな影響は出ないと予想される。中国経済の状況が厳しくなり、鉄鋼や化学肥料など川下の需要が軟調であるからである。加えて、中国の石炭生産能力は深刻な過剰を来しており、北朝鮮の無煙炭に代替可能な炭種は多い。また、中国は2015年に北朝鮮から2,000万トン近くを輸入したものの、1ヵ月当たりではわずか160万トン前後であり、その一部は中国を中継してベトナム、日本や韓国等へ輸出されている。それゆえ、中国への無煙炭供給に対する影響は限られたものでしかない。
北朝鮮炭の主な中継港は丹東、日照、煙台等である。
(中国能源網 3月8日)