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【電力】

中国の石炭火力発電は今年全体的に赤字に陥る公算 (16/03/19)
2016/3/19
中国【電力】

 3月19日に開かれた「2016年経済情勢・電力発展分析予測会」において、中国電力企業聯合会はレポートを発表し、2016年に石炭火力発電の収益が大幅に縮小し、赤字企業の比率と負債率が著しく上昇し、産業全体で赤字に直面する可能性が極めて高いとの見通しを示した。同レポートは次のように指摘する。

 発電用石炭など燃料価格の大幅な下落という有利な情勢の下で石炭火力発電事業は2015年に良好な経営業績を上げたが、石炭火力発電企業の直面する苦境は隠せなくなっている。一方、電力消費の鈍化と非化石エネルギーの急速な発展に伴い、石炭火力発電の利用時間の低下が続き、2015年には石炭火力発電の営業収入は初めて減収になり、2016年にはさらに突出する可能性がある。

 他方、発電用石炭価格は10年来の低い水準にあり、これ以上下がる余地は限られ、上昇期待が高まりつつある。しかし、2015年4月に0.02元/kWh引き下げられていた石炭火力発電の売電価格は2016年1月1日よりさらに0.03元/kWh引き下げられ、そのため、全国の石炭火力発電事業の収益は1,100億元下がることになる。

 加えて、各地方は電力需要家の直接取引を展開しており、石炭火力発電の売電価格はますます押し下げられる。

 中国の発電において石炭火力発電は依然絶対的な比重を占め、短期間で取って代わられることは不可能であるが、石炭火力発電の全面的赤字が発電に影響し、電力系統の供給能力不足をもたらす可能性は考えられる。

 (中国経済網 3月19日)