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中国
【石炭】

中国の石炭輸出停止により国際石炭価格が上昇 (08/02/06)
2008/2/8
中国【石炭】

 50年ぶりの大雪に見舞われ、石炭不足が深刻化する中、中国政府は先頃、4月より石炭輸出を停止すると発表した。一方、オーストラリアの洪水災害による石炭供給不足や南アフリカ共和国の炭鉱の減産に端を発した電力不足も重なって、国際石炭価格は各所で最高値を更新、例えば、カナダのGrand Cache Coal Corp市場は21.4カナダドル、52週ぶりの高値となり、Hillborough Resoures相場は8.6%,Western Canadaian Coalは9.37%もの上昇となった。2月1日の時点でオーストラリアサウスウェールズ州発電所向け石炭価格は2週連続で最高値を記録、23.09$/t上昇して116.44$/tに達した。昨年と比べると、73%上昇したことになる。

 また、世界最大のコークス用原料炭供給企業であるBHP Billiton Mitsubishi Allianceは不可抗力により期日通りに納品できないことをすでに発表している。アナリストによると、工業の発展が一般炭需要の拡大を促すだけでなく、コークス用原料炭にもますます需要が向かうことになる。供給企業は2008年のコークス用原料炭価格を倍以上に引き上げることを求めている。現物価格では、昨年12月のオーストラリア企業のインド向け輸出価格は11月に比べ11%高い200$/tになっていた。コークス用原料炭供給企業はアジア向けの契約価格を2007年度の96〜98$/t(FOB)から116%高い210$/t(FOB)に上げるよう期待しているのである。

 コークス用原料炭の高騰は、新規の炭鉱が不足しているほか、オーストラリアの港湾運輸にも一因がある。オーストラリアの港湾で入港待ちを続ける船は46隻に上り、おまけにクイーンズランド州の洪水災害のため、炭鉱は一時閉鎖に追い込まれている。

 さらに、ロシアとウクライナからのコークス用原料炭供給が減少しており、ロシア政府はすでに使用量と輸出に対する制限措置を取っている。アジア・太平洋地区では、オリンピックを間近に控えて中国はさらに何ヵ所かの小型炭鉱を閉鎖しようとしている。中国の鉄鋼企業がオーストラリア、カナダ及び米国との間で確定したコークス用原料炭契約価格は190〜200$/t(FOB)と言われている。

 石炭価格の大幅な上昇は、2008年のコークス価格の高騰につながる。最新のコークス現物価格は約450$/t(FOB)に上り、上昇率は120%を超えた。コークス価格の急騰によって、第2四半期の粗鋼価格は50〜60$/tに上昇する見通しである。

 (中国煤炭資源網 2月6日)