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中央石炭企業初のデフォルト 中煤華昱能源が6億元の短期社債償還不能 (16/04/06)
2016/4/6
中国【石炭】

 鉄鋼や石炭など生産能力過剰産業の債務不履行が拡大しつつある。昨年10月の鉄鋼中央企業初のデフォルトになった中鋼集団に続き、石炭中央企業の子会社である中煤集団山西華昱能源有限公司も今月、デフォルトが明らかになった。 

 4月6日午後、銀行間市場清算所股份有限公司は公告を発表し、2016年4月6日は中煤集団山西華昱能源有限公司2015年第1期短期融資社債(コマーシャル・ペーパー)「15華昱CP001」の元利償還期日であったが、同日中に同社から償還金の支払いはなく、発行代理人として同債券の償還を出来ないと表明した。 

 この公告は華昱能源が正式にデフォルトしたことを意味する。但し、発行人の華昱能源も、主幹事機関の浦発銀行も未だデフォルト公告を出していない。澎湃新聞は4月6日午後、華昱能源に何度も電話したが、全然つながらない。 

 山西華昱能源有限公司は中煤集団が49.46%の株式を保有している。中煤集団は中国第2位の石炭生産企業である。 

 中煤集団によると、華昱能源の状況は最悪とまでは到っていない。中煤集団董事会(取締役会)秘書の周東洲氏は澎湃新聞の取材に対し次のように表明した。この種のデフォルトが発生しているのは、石炭市況の悪化と石炭価格の持続的低迷のため赤字になった企業であるが、華昱能源は生産も経営も正常である。華昱能源と中煤集団の関係方面はいずれも解決の方法を講じている。今後どのような形で債務の償還を行なうかは目下検討中であり、新規債券によって旧債券を償還するのも一つの方法であるが、具体的な償還時期については今のところ何とも言えない。 

 また、主幹事機関の浦発銀行の関係者も同様の見解を示し、華昱能源には一定の資金調達能力があるが、今はタイミングに問題が生じていると述べた。 

 しかしながら、中債資信の石炭産業研究チームは、華昱能源が短期間で黒字に転換する可能性は低いとしている。 

 華昱能源の公告によると、国内の経済成長の鈍化や石炭の供給過剰のため、2015年第1〜3四半期に4.2億元の赤字を計上した。 

 なお、華昱能源が2011年9月発行した「11金海洋MTN1」は発行規模9億元、利率6.56%で、2016年9月8日に期日を迎える。また、2012年末に発行した8.5億元、利率5.53%の「12金海洋MTN1」は2017年末に期日を迎える。 

 中国煤炭経済研究会の趙家廉事務局長が澎湃新聞に指摘したところによると、華昱能源のような債務問題が比較的深刻な国有企業にとって、転換社債は比較的望ましい方式の一つであるが、具体的にどうするかについてはなお検討を要する。 

 (和訊債券 4月6日)