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国家能源局長も石炭火力発電の過剰に懸念 火力発電は何処へ (16/04/06)
2016/4/6
中国【電力】

 全人代・全国政治協商会議では火力発電の今後の発展をめぐる問題に火が着き、努爾・白克力(Nur Bekri)国家能源局長も石炭火力発電の過剰に懸念を表明した。石炭火力発電過剰はどのような問題をもたらすのだろうか。 

 国民経済の「新常態」入りにともない、電力消費需要は伸び率鈍化傾向を呈している。2015年の電力消費量の伸び率は0.5%に止まり、前年に比べ3.3ポイント下がった。 

 電力需給は相対的に緩和され、石炭火力発電は生産能力過剰の潜在リスクに直面している。もし従来のペースで建設が進むと、向こう2〜3年以内に過剰になることは間違いない。努爾・白克力国家能源局長は、潜在リスクを萌芽の段階で解消しなければならないと強調する。 

 今後、火力発電にどのような位置づけを与えるべきなのだろうか。この点について、全国政治協商会議委員で華北電力大学校長の劉吉臻氏は「我々の関連研究によると、2030年になっても火力発電は依然として全国の発電電力量の約60%を占める」と言う。 

 劉氏は火力発電に第2の属性を付与すべきと主張する。すなわち「ストレージ可能な一次エネルギーとコントロール可能な二次エネルギー」としてのピーク調整作用である。「国は市場化された手段によって、高度のピーク調整を行なう一群の火力発電所の建設を拡大すべきだ。そして、高度かつ高速に火力発電のピーク調整能力を発揮することで、より多くの新エネルギーを電力系統に受け入れられる。しかし、非常に残念なことに、国はこの点を未だ重視していない。国は現在、再生可能エネルギーにフィード・イン・タリフを適用しているが、将来的にはピーク調整発電所にも適用しなければならない」と言う。劉氏は、今後も長期にわたって火力発電は依然主導的地位を占めるが、自身の利益の見地から新エネルギーの発展に流れに抗うことは出来ないと付言し、火力発電は従来の発展の考え方と生産方式を転換し、もっと先進的な火力発電技術を開発して、効率化、集約化、クリーン化の道筋を歩むべきであり、そのこともエネルギー革命の重要な内容になるとした。 

 (中国能源網 4月6日)