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【エネルギー全般・政治経済】

エネルギーの世界で「次の中国」になりつつあるインド (16/04/08)
2016/4/8
アジア【エネルギー全般・政治経済】

 エネルギーの世界でインドは「次の中国」になりつつある。 

 インドには昨今の油価下落によって絶好のチャンスがもたされ、インド自身も国内に製造業の発展を喚起するとともに、国内外の産油地への新たな投資によって自国の石油需要を賄おうとしている。これは中国が10数年前から歩んできた道である。 

 世界第2位の人口を有するインドは製造業への依存を深めるのに伴い、徐々に石油需要の増加の中心になりつつある。しかも、10年前の中国と同様に、インドも国内外で石油生産に投資するという形で、将来のエネルギー需要を満たそうとしている。 

 インドは中国よりも優位に立つ可能性が高い。中国の消費需要の増加は「コモディティ・スーパー・サイクル」の時期と重なり、WTI原油価格は2008年に1バレル147.27ドルの最高に達したが、インドの経済発展が始まる今、世界のエネルギー価格は崩壊期にあり、2014年中頃に比べると50%以上下がった。2015年のインドの原油輸入量は前の年よりも4%増えたにも関わらず、輸入額は600億ドル下がった。 

 ロンドンの Energy Aspects Ltd.の首席石油アナリストであるAmrita Sen氏は「油価下落以外にも、インドは構造と政策の転換を進めているところだ。そのため、インドのエネルギー需要が飛躍的に増加する可能性が高い。中国の90年代後半に類似するモデルになる。当時の中国の石油需要はインドの現在の石油需要とほぼ同じレベルだ」と述べた。 

 (ブルームバーグ 4月8日)