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中国
【エネルギー全般・政治経済】

世銀、中国の2008年GDP成長率予測を9.6%に下方修正 (08/02/14)
2008/2/15
中国【エネルギー全般・政治経済】

 世界銀行は4日、中国の2008年GDP成長率予測を10.8%から9.6%に下方修正し、インフレ率予測を3.8%から4.6%に上方修正したと発表した。なお、これより先、IMFは中国の今年のGDP成長率を10%と予測していた。

 亜太博宇の分析によると、世銀の今回の予測修正は中国の直面する「内憂外患」を織り込んだものである。最近の寒波によるエネルギー不足や生産の中断は景気に悪影響を及ぼすだろう。大雪災害による影響は一時的なものとはいえ、インフレの引き金になり、インフレを昂進させる公算が大きい。しかも、中国のインフレはすでに深刻化しており、昨年のインフレ率はこの11年来最高の4.8%に達していた。

 国内情勢だけでなく、国際情勢も楽観を許さない。サブプライム問題は世界の景気の足を引っ張り、同時に国際的な食品価格の高騰や賃金コストの上昇は中国のインフレを押し上げる要因になるだろう。まして、現在の国際食品価格と労働力価格には比較的大きな格差があるため、今年もし賃金が上昇しなければ、国内のインフレ圧力は極めて大きなものになる。中国政府が今年、経済過熱の抑制に本腰を入れるとともに物価に対しても制限措置を取るであろうことは容易に想像できる。

 (亜太博宇 2月14日)