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中国
【石炭】

中国科学院のSNG研究が進展 (16/04/12)
2016/4/12
中国【石炭】

 中国科学院工程熱物理研究所分散型エネルギー供給・再生可能エネルギー実験室は、全過程のエネルギー消費、温室効果ガスの排出や新型システムなどSNGの研究を展開し、その成果を“Nature Climate Change”誌に発表した。

 海外の研究においては一般にSNGの全過程の温室効果ガス排出は従来型石炭火力発電の4倍、天然ガスコンバインドサイクルは発電の7倍とされているが、中国科学院工程熱物理研究所の研究結果から、現行の技術水準(効率はわずか50〜55%)をもとにした場合でも、全過程の温室効果ガス排出は石炭火力発電技術の1.35〜1.60倍、天然ガスコンバインドサイクルの2.6〜3.3倍に止まることが明らかになった。さらに、新型石炭ガス化のSNGシステムの場合、エネルギー利用効率は60〜65%に達し、全過程のエネルギー消費と温室効果ガス排出は現行の石炭火力発電技術を下回ることも分かった。

 SNGシステムは高濃度のCO2排出源であるため、SNGをCO2回収・貯留(CCS)技術と組み合わせると、全過程の温室効果ガス排出は石炭火力発電+CCS技術のケースよりも小さくなる。

 中国はエネルギー高効率の利用、環境保護、エネルギーセキュリティの3つの側面から、革新的な石炭化学工業技術を発展させることが急務である。中国科学院工程熱物理研究所の研究成果は指導的意義を発揮することになろう。

 (天然気工業 4月12日)