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【石炭】

今年の石炭輸出割当が半減 対日輸出価格は昨年の倍に (08/02/18)
2008/2/18
中国【石炭】

 1月下旬、国家発展改革委員会(NDRC)から輸出権を付与されている中煤集団、神華集団、五鉱集団、山西省煤炭輸出入公司の4社が2008年度の石炭輸出許可を受けたが、今年の石炭輸出許可割当は4,000万トン余りであることが分かった。昨年の7,000万トン余りという数字と比較すると、ほぼ半減したことになる。さらに、山西省煤炭輸出入公司筋は、昨年の輸出実績が許可割当よりも約2,000万トン少なかったことから、今年の実際の輸出量は4,000万トンにもならないと指摘する。

 1月以来の大雪による交通の障害に伴い、石炭供給と電力供給の逼迫が深刻化、交通部は1月末に石炭輸出の一時停止を通達して、輸出向けの石炭輸送を国内の発電用石炭の輸送に振り向けた。そのため、政府が4月から石炭輸出を本格的に停止すると報じたメディアもあったが、政府筋は一様に、石炭輸出の停止は非常事態に対応した特殊な措置であるとして、石炭輸出を本格的に停止することはないと指摘していた。

 今年の石炭輸出許可が発給されたことから、石炭輸出は一応継続されることが明らかになったが、しかし、アモイ大学中国エネルギー経済研究センターの林伯強主任は、石炭輸出許可割当が激減したことは、もとより非常事態への対応という意味もあるが、しかし、こうした傾向は国の石炭輸出政策の長期的な基調になると見なすことも出来ると指摘する。

 2007年の石炭輸出は5,317万トン、輸入は5,102万トンで、通年では215万トンの石炭純輸出となったものの、第1四半期には石炭輸入が前年同期比60%増、輸出が32%減となって、中国は初めて石炭純輸入国となっていた。

 林伯強氏によると、重要なのは中国の輸出量ではなく、中国が石炭純輸入国になるかどうかであり、もし中国が今年、通年で純輸入国になれば、世界の石炭需給に大きな変動をもたらす。

 中国の石炭の主要輸出先は日本と韓国であり、特に日本は最大の輸出先である。それゆえ、日中間の石炭長期売買契約交渉が中国の石炭輸出を左右する重要な要素になる。この交渉は正式には4月頃行われるが、今年に入ってからすでに2回も非公式交渉が行われている。この間、中国は当初1トン108ドルの価格を提示したが、日本側は受け入れなかった。しかし、その後しばらくして石炭価格の上昇が進み、今度は中国側が108ドルで満足できなくなったのである。

 中国の大雪災害に起因する輸出減少、オーストラリアや南アフリカの供給中断により、国際石炭価格は過去最高を記録、すでに1トン120ドルに高騰したとも言われる。

 国際石炭貿易に詳しい北京長貿諮詢公司の黄騰氏は、今年の日中間の一般炭FOB価格は昨年(1トン67.9ドル)の2倍になり、しかも対日輸出量は減少すると見ている。

 (中国煤炭資源網 2月18日)