1. HOME
  2. 中国 【電力】

中国
【電力】

神華が「石炭=汚染」説に反駁 5年間190億元かけて石炭火力の汚名晴らす (16/05/11)
2016/5/11
中国【電力】

 5月10日、神華集団が開いた発表会において、中国神華(神華集団傘下の上場企業)の王樹民副総裁は、「石炭と汚染を直接イコールとし、甚だしきは脱石炭化を主張するのは、中国の国情とかけ離れているだけでなく、基本的な科学的姿勢さえも欠如している」と直言した。

 一方、神華集団は北京・天津・河北地区の所属の石炭火力発電所の「超低排出」を全て実現したと発表した。石炭産業が冬の時代にある中、神華はすでに超低排出改修に3年の時間と総額23.5億元を費やしている。

 神華集団は「超低排出」を逐次全国の石炭火力発電所へと広げていく計画である。つまり、神華集団は今後6割近い未改修の設備に巨額の環境保護投資を行うことになるが、中国神華の2015年及び今年第1四半期の業績を見る限り、神華にとっては営業収入や純益の面で小さからぬ圧力になる。

 王副総裁によると、神華集団の設備超低排出化の投資は110〜400元/kWになり、投資・運営コストは0.01元/kWh増えることになるが、「総合的に見て、今後相当長期にわたって石炭火力発電は比較的高い経済性を維持する」と王副総裁は言う。

 同日の発表会において、神華集団は北京・天津・河北地区の全設備22台、979.4万kWの「超低排出」改修を完了するとともに、40万kWの石炭火力発電設備2台を閉鎖したと発表した。

 「超低排出」は国家発展改革委員会、環境保護部、能源局が策定した《石炭火力発電省エネ・排出削減・グレードアップ改修行動計画(2014〜2020年)》に由来し、石炭火力発電の大気汚染物排出濃度を基本的にガスタービン設備の排出上限値に下げるものであり、石炭火力発電設備の新たなベンチマークになる。

 王副総裁によると、神華集団は国の政策的要請に応え、第13次5ヵ年計画期に1,230件に上る省エネ・環境保護・グレードアップ改修事業を実施する。計画投資額は190億元に上り、うち省エネ・効率向上プロジェクトが960件、116億元、環境保護・排出削減プロジェクトが270件、74億元になる。2020年末には神華集団の全ての石炭火力発電設備の「超低排出」を実現する。

 神華は2016年4月末時点で59台、3,091.4万kWの設備に対し「超低排出」を実現しているが、これは神華の石炭火力発電設備総容量の43.7%に当たる。

 地方環境保護部門の検査報告によると、改修を終えた神華の石炭火力発電所の煙塵、二酸化硫黄、窒素酸化物の指標はいずれもガスタービン発電設備の排出上限基準値(煙塵5mg/Nm3、二酸化硫黄35mg/Nm3、窒素酸化物50mg/Nm3)を下回っている。

 (中国経済網 5月11日)