国家能源局が5月18日に発表した統計によると、4月期の中国の電力消費量は4,569億kWh、対前年比の伸び率は1.9％に止まり、前月に比べ3.7ポイント下がった。専門家によると、電力消費量の伸び率は若干下がったものの、依然合理的な範囲にあり、1〜4月の電力消費量の伸び率を見る限り、経済の持続的好転傾向には変化はない。

　4月期の電力消費の伸び率低下の影響を受けて、1〜4月の電力消費量は1兆8,093億kWh、対前年同期比の伸び率は2.9％で小幅の低下になった。もっとも、1〜4月の電力消費量にはまだ期待材料があり、例えば、第三次産業と各業種の電力消費量はいずれも比較的急速な増加を実現し、数年来の高速成長の勢いが続いている。

　北京経世万方信息技術有限公司の首席研究員である邢勝男氏は電力消費の伸び率回復には主に次の3つの要因があると分析する。

　(1) 寒流の影響と昨年の暖冬のため、暖房用電力が昨年に比べ増加した。

　(2) 閏年のため、2月の電力消費量が1日分多かった。

　(3)　経済活動が安定化の兆しを示し、特に工業用電力消費の安定化が主な作用を発揮した。

　1〜4月期の状況を全体的に見ると、第二次産業の電力消費の伸び率は依然低いレベルに止まっているが、第三次産業の電力消費は依然高い伸びを持続している。このことは中国の経済成長の工業主導型からサービス業主導型への転換傾向に変わりがないことを示している。但し、4月期の電力消費量が前月比で下がった点から見て、中国の電力消費量の伸び率は依然低い水準で推移するだろう。

　（経済日報 5月19日）