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【石油・天然ガス】

露トランスネフチ新社長が東シベリア−太平洋石油パイプラインの建設を急ぐことに反対 (08/02/18)
2008/2/19
中国【石油・天然ガス】

 ロシアの石油パイプライン会社トランスネフチの新社長ニコライ・トカレフは、東シベリア−太平洋石油パイプラインの建設を急がせることは事業コストを高めることになるとして反対を表明した。トカレフ社長によると、現在の工事進捗度は最大限にアップされており、もしこれ以上スピードアップすれば、120億ドルの工事予算を大幅に超過することになる。

 トカレフ社長は2月7日、本来2008年12月を予定していた第1期工事の竣工は2009年12月に延期せざるを得ないと表明していた。トカレフ社長はこれまでの工事遅延の責任は前任の経営陣にあるとした。工事遅延の原因は、これまで工事を請け負っていた企業の施工経験の不足、水準に達していない作業員の雇用や請負企業がコストを意に介さず利益を掠め取ろうとしたことにあるとされる。現在、トランスネフチは一括請負企業を通さずに、請負企業との直接交渉に入るとともに、実際の建設の経験を有する企業を招請している。

 また、トカレフ社長は、石油積み出し港となるコズミノ港を2008年末までに完成することは不可能であると指摘した。トランスネフチはコズミノ港建設許可を未だに受けておらず、たとえ4月に許可を受けることが出来たとしても、20ヶ月の工期を要するため、到底2008年末には間に合わない。

 なお、東シベリア−太平洋石油パイプラインの中国向け支線建設について、トカレフは、依然この問題は解決していないとし、トランスネフチと中国側が2006年に調印した覚書は「パイプライン支線建設の可能性を検討する」ことを打ち出したに過ぎないと指摘した。

 (俄新網 RUSNEWS.China 2月19日)