1. HOME
  2. 中国 【エネルギー全般・政治経済】

中国
【エネルギー全般・政治経済】

中国 発展改革委員会など8省庁が石炭・石油から電力への転換推進で指導意見を通達 (16/05/24)
2016/5/24
中国【エネルギー全般・政治経済】

 国家発展改革委員会など8省庁が連名で《電力への転換推進に関する指導意見》を通達し、北方の暖房、製造、交通運輸、電力供給及び消費の4つの分野に重点を置いて電力への転換を推進することを明確にした。

 中国の深刻化する大気汚染の主な原因には、大量の石炭分散燃焼や石油消費がある。電力への転換を実施することは、エネルギー消費革命を推進し、国家エネルギー戦略を具体化し、エネルギーのクリーン化を促進する上で重大な意義を担っている。石炭や石油に代替する電力は主に再生可能エネルギー発電とし、一部は超低排出石炭火力発電で賄う。

 指導意見は電力への転換を進める4つの重点分野を提示している。

 (1) 北方住民の暖房用…ガス(熱力)パイプライン網がカバーしておらず、依然石炭の分散燃焼を行っている地区を対象に、石炭分散燃焼設備から、蓄熱式電気ボイラー、蓄熱式電気暖房器具、電熱シートなど種々の電気暖房設備に転換する。

 (2) 製造…工業・農業生産において電気ボイラー、電気窯炉、電気灌漑等を普及させる。

 (3) 交通運輸…各種車両、港湾設備、空港のブリッジ設備等を対象に石油から電力に転換する。

 (4) 電力供給と消費…電力系統自体の運転の需要を賄うため、例えば、蓄エネルギー設備によって系統のピーク・周波数調整能力を高め、電力負荷のピークシフトを促進する。

 中国は第13次5ヵ年計画期に上掲の4つの分野で電力への転換を全面的に推進し、エネルギー末端消費において石炭分散燃焼と石油消費を約1.3tce(石炭換算トン)減らし、石炭消費に占める発電用の比率を約1.9%、末端エネルギー消費に占める電力の比率を約1.5%引き上げ、電力消費の比率を約27%にする。電力消費量は約4,500億kWh増え、煙塵を約30万トン、二酸化硫黄を約210万トン、窒素酸化物を約70万トン削減する見通しである。

 (国家発展改革委員会 5月24日)