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【石油・天然ガス】

中国製油産業の過剰生産能力は1億トン 第13次5ヵ年計画期には15%の生産能力淘汰が必要 (16/06/06)
2016/6/6
中国【石油・天然ガス】

 「脱生産能力」が必要なのは石炭や鉄鋼に止まらない。石油化学工業にとっても脱生産能力が第13次5ヵ年計画期における重点対策の一つになる。淘汰を要する過剰生産能力は差し当たり10〜15%に上る。

 6月2日、石油化学工業企画院の白頤副院長は、2016年中国石油化工発展創新フォーラムにおいて、第13次5ヵ年計画期(2016〜2020年)に「脱生産能力」は石油化学工業の供給側改革の重点になると表明した。
 
 白頤副院長によると、石油化学工業第13次5ヵ年計画草案において、製油業は生産能力過剰の典型であり、製油能力撤去の目標は10〜15%とされる。主な対象は、規模が比較的小さい企業、原料配置が不合理な企業、石油製品の品質基準を満たさない企業である。

 CNPC経済技術研究院が発表した《2015年国内外石油ガス産業発展報告》によると、2015年末時点の中国の製油能力は約1.7億トン、うち過剰製油能力は1億トンに上る。もう一つの重要化学品であるメタノールも段階的な生産能力過剰が認められており、脱生産能力の目標は30〜40%とされる。現在、中国のメタノール生産能力は6,400万トンに上り、過剰率は40%になる。

 「石炭や鉄鋼産業においては生産能力の退出や『キョンシー企業』の整理が供給側改革の主要目標になるが、これに対し、石油化学工業は主に生産効率と製品の品質の向上が焦点になる。但し、一部の生産能力の退出も発展計画に盛り込まれている」と白頤副院長は述べた。

 白頤副院長によると、中国の石油化学工業は過去10年間に急速な発展を遂げたが、外的要因の影響を受けて、毎年の伸び率の変動が極めて大きい。余りにも急速な成長はGDPの成長から逸脱し、過剰生産能力の形成という結果をもたらした。また、多くの業界関係者によると、石油化学工業の生産能力過剰には一部企業の理性を欠いた投資が資源の浪費と効率の低下をもたらしたことも背景にある。

 「石油化学企業にとって第13次5ヵ年計画は一つのチャンスだ。もし類型転換に成功できなければ、石油化学企業は破産の結末に直面するだろう。脱生産能力の過程では、再編、統廃合や協力が鍵になるだろう」と、上海華宜集団股份有限公司の劉訓峰董事長(会長)は述べた。

 また、国際企業の代表的存在であるデュポン中国エリア業務総監上級諮詢顧問の頼文華氏は、デュポンとダウ・ケミカルの合併は中国企業にとっても参考になると述べた。
 
 白頤副院長が明らかにしたところでは、石油化学工業企画院が提出した石油化学工業第13次5ヵ年計画草案において、産業の発展速度は6.5%と定められ、初めてGDP成長目標と同じレベルになった。なお、石油化学産業第12次5ヵ年計画では、産業の年平均伸び率10%が目標とされていた。

   (石油産業網 6月6日)