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中国
【石炭】

中国のSNG産業が直面するチャンスとチャレンジ (16/06/27)
2016/6/27
中国【石炭】

 供給が需要に追いつかないことは中国の天然ガス需給の基本構造であり、国内の天然ガス生産量では急増する消費量を満たすことが難しく、中国は毎年大量の天然ガスを輸入しなければならない。そのため、豊かな石炭資源を利用してSNG(石炭由来代替天然ガス)を発展させることは、国内天然ガス生産量の増加、エネルギーセキュリティの維持、省エネ・排出削減といった面で重要な役割を果たす。

 SNGはLPGや天然ガスに代替し補完するものであり、クリーン・エネルギー生産の新たな道筋になる。石炭深加工産業の構造を最適化し、石炭化学製品チェーンを豊かにする。高いエネルギー利用効率を備え、国内外における石炭の加工と利用の発展の方向性に合致する。

 中国はSNGの発展において、豊かな石炭資源という先天的な優位を備えている。中国の石炭確認埋蔵量は世界第3位であり、世界の確認総埋蔵量の12%余りを占める。豊かな石炭埋蔵量は中国のSNG開発に十分な原料を提供する。

 技術・装備の面から見ても、メタン化装置の一部設備に海外技術の導入を要するが、それ以外の技術・装備はいずれも国産化を実現している。

 また、今のところ、カロリー単位の石炭価格は石油や天然ガスより安く、SNG生産はコスト面の優位を備えている。埋蔵量が豊かで価格もさらに安い低品位炭(褐炭)を原料にSNGを生産すれば、コストはもっと下がる。その上、SNGのカロリーは通常の天然ガスを上回る。SNGを生産する場合、タール、ナフサ、フェノール、硫黄等の副産物も生産することがき、製品の付加価値を高め、より大きい収益を得ることが可能になる。

 さらに、SNGはパイプラインによって便利かつ機敏に長距離輸送を行なうことが可能であり、そのため、事業の立地先を広げ、内蒙古東部や新疆など交通と輸送が不便であるが石炭埋蔵量が豊かで価格が安い僻地にSNG事業を建設することができる。

 つまり、長期的に見ると、SNG産業の前途は非常に明るいのである。

 しかしながら、SNG事業開発においては様々な要素を総合的に考慮しなければならない。すなわち、実地調査を行い、資源、建設コスト、輸送コスト、人件費を総合的に考慮して、FSを適正に行い、真摯に分析しなければならず、闇雲に事業を立ち上げてはならない。

 (中国能源網 6月27日)