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【石油・天然ガス】

中国の戦略石油備蓄が満タンに近づいている可能性も (16/07/05)
2016/7/5
中国【石油・天然ガス】

 JPモルガン・チェースのアナリストは先日発表したレポートの中で次のように指摘した。油価暴落を受け、中国は2015年初頭以来、低油価のチャンスを利用して戦略石油備蓄を速やかに確立している。今年、中国は石油の買入を倍増させ、今や中国の戦略石油備蓄は満杯に近づいている可能性もある。戦略備蓄のための石油輸入を停止すると、中国の輸入は約15%なくなる。

 税関総署の統計によると、2015年の中国の原油輸入量は3億3,550万トン、純輸入量は3億3,263万トンに達し、10年前に比べ2倍以上に増え、中国は米国を抜いて世界最大の石油輸入国になった。中国の石油市場は国際油価に対して重要な影響力を有している。

 人民日報海外版によると、備蓄量の不足に対応して、中国は目下石油備蓄を急速に高めつつある。2014年に発表された原油備蓄量は1,243万トンであったが、これに比べ2015年中頃には原油備蓄規模は110%増加し、石油備蓄基地は4ヵ所であったのが、8ヵ所に増えた。

 今年に入ってから、原油価格は2月の12年来の最低水準から86%反発した。アナリストによると、最近原油価格は50ドル/バレルまで反発したが、この価格水準は長続きすることは出来ず、将来油価はなお下がるだろう。

 分析によると、最近の油価反発は基本構造と何ら関係はない。油価上昇は主にカナダの山火事や政治変動に起因するナイジェリアとベネズエラの減産によるものである。世界の原油は今なお深刻な過剰を来たしている。

 (人民網 7月5日)