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【エネルギー全般・政治経済】

化石エネルギー消費は2030年にピーク CNPC「中国エネルギー展望」(16/07/12)
2016/7/12
中国【エネルギー全般・政治経済】

 7月12日、中石油(CNPC)経済技術研究院は最新研究レポート《2050年世界と中国のエネルギー展望》を発表した。同レポートによると、経済構造調整とエネルギー消費総量規制政策の影響により、中国のエネルギー消費は2035年頃にピークに達し、化石エネルギー消費は2030年頃にピークに達する。また、石炭消費の比率は2050年には20%に下がる。

 CNPC経済技術研究院の李建青院長は、中国経済が新常態に入って以降、エネルギー消費は中低速成長になり、エネルギー構造の改善が急速に進み、世界のエネルギーの新たな変化を助長すると指摘し、「エネルギー分野に重要な変化が発生するには長期的なサイクルが必要である。そのため、我々は2050年までのエネルギー世界に目を向けなければならない」と言う。

 同研究院戦略研究所の杜偉副所長が説明した要点によると、今回のレポートは次のように見ている。今後35年、エネルギー効率はエネルギー発展において決定的な作用を発揮し、世界のエネルギー消費は徐々に下がって行く。世界の一次エネルギー消費は2045年頃に、化石エネルギー消費は2030年頃に高平坦段階に入る。つまり、世界のエネルギー関連のCO2排出は2035年頃には増加が止まる。中国のエネルギー消費のピークは2035年、化石エネルギー消費のピークは2030年に現出する。「中国のエネルギー消費総量、とりわけ化石エネルギー消費総量がピークに達すると、世界の炭素排出と気候変動に大きな影響をもたらす」。

 エネルギーのクリーン化はエネルギー構造調整の大きな流れの一つになる。天然ガスは石油を超えて最大のエネルギーになり、一方、新エネルギーと再生可能エネルギーが急速に発展し、天然ガスも含む世界のクリーン・エネルギーの比率は2050年には50%を超える。中国の厳格な石炭規制政策の影響を受けて、世界の石炭消費には最早増加の余地が基本的になくなり、石炭消費の比率は持続的に低下して2050年には20%になる。石炭消費がピークに達する中で、中国のエネルギー消費構造は低炭素化の傾向が鮮明になり、非化石エネルギーの比率は12%から一気に30%以上に高まる。

 (21世紀経済報道 7月12日)