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【エネルギー全般・政治経済】

中国の石炭消費のピークはすでに到来も 中外共同研究 (16/07/26)
2016/7/26
中国【エネルギー全般・政治経済】

 英国《ネイチャー・地球科学》誌に7月25日に発表された論文によると、中国の石炭消費のピークは予想よりも早くすでに到来している公算である。「ポスト石炭成長時代」において、中国の経済成長は石炭消費の増加とのリンケージからはずれ、グリーン成長の新たな段階へと進みつつある。

 この「中国のポスト石炭成長時代」と題する論文は清華−ブルッキングズ公共政策研究センターの斉曄主任や英国グランサム気候変動・環境研究所のニコラス・スターン所長など中国、英国、米国の学者が共同で執筆した。

 中国の石炭消費は2020〜2040年にようやくピークなるというのが大方の見方であるが、今回発表された論文は次のように指摘する。

 ここ数年、中国の石炭消費には著しい変化が発生し、2014年の石炭消費は2.9%のマイナスになり、2015年は3.6%のマイナスになった。一方、中国経済はこの期間に比較的高い成長を維持していた。使用される石炭の品質等の要素を勘案すると、中国の石炭消費のピークは2014年にすでに発生していた可能性が高い。ピークが2013年に発生したのかそれとも2014年に発生したのかは重要ではない。重要なのは石炭消費の流れに逆転が生じたことである。中国経済はすでに石炭消費の増加とのリンケージからはずれ、「ポスト石炭成長時代」に入っている。過去35年、石炭の消費が中国経済の飛躍的な成長を駆動し、エネルギー消費総量の中で石炭の占める比率は平均75%に達していたが、近年、石炭消費の伸びは次第に鈍化し、エネルギー構造に占める石炭の比率は2015年にはすでに64.4%に下がった。中国が経済の安定成長を維持すると同時に石炭消費を減らすことは可能である。その主な理由として、中国経済は次第に高排出・エネルギー多消費の成長モデルから離れ、持続可能で包容力の高い発展の道筋を歩みつつあるからである。また、大気汚染対策と気候変動対応政策もエネルギー構造に占める石炭の比率低下を加速させている。

 (新華社 7月26日)