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【石炭】

中国国有企業が19ヵ月ぶりの増収 国有石炭企業は黒字転換を実現 (16/09/13)
2016/9/13
中国【石炭】

 国有企業の総営業収入は昨年1月以来、対前年同期比でマイナスが続いていたが、今年7月にようやく転機が訪れた。

 9月12日に財政部が発表した統計によると、2016年1〜7月の全国国有企業の総営業収入は24兆8,835.5億元、前年同期比0.2%増になった。1〜7月の利益総額は1兆3,128億元で、前年同期比6.5%のマイナスになったが、1〜6月の−8.5%に比べると減少率はやや縮小した。

 注目されるのは、国有企業の増収の中でも石炭産業の業績が相対的に突出していることである。

 財政部の統計によると、今年1〜5月は国有企業の中で石炭、鉄鋼、非鉄金属等の産業は赤字であったが、2ヵ月後には国有石炭企業は黒字転換を実現した。財政部の1〜7月の統計によると、石炭、交通、建設や医薬等の産業で比較的大きい幅の増益を実現した。

 業界関係者の分析によると、ここ数ヵ月、石炭の脱生産能力がもたらした生産量の縮小によって石炭価格の反発が続き、そのため国有石炭企業の黒字転換が進み、延いては国有企業の総収入のマイナスからプラスへの転換を後押しした。

 8月31日時点で、今回の石炭価格上昇のトレンドは依然継続しており、環渤海一般炭価格指数は494元/トンになって、10週連続の上昇を実現した。

 但し、石炭価格の上昇がいつまで持続するかは未知数である。中国企業研究院の李錦首席研究員によると、価格の回復が国有企業経営の好転をもたらしたものの、このことは国有企業が質と効率の向上を実現したことを示すものにはならない。

 先日、国家発展改革委員会は数十社の石炭企業を招集して石炭価格の急すぎる上昇を抑える対策を始動し、石炭価格の等級に応じた対応の仕組みを実施することにした。業界関係者によると、この対策は生産量を増加することで価格を合理的な範囲に維持するものであり、石炭価格の急上昇が供給側改革や石炭産業の脱生産能力を阻害しないようにするためである。

 李錦氏は「営業収入が増加したからといって国有企業の脱生産能力や質と効率向上の任務を緩めてはならない」と分析する。

 また、9月6日には、中央企業再編協力統廃合座談会において、肖亜慶国有資産監督管理委員会主任もまた、中央企業のダイエット、質と効率の向上をさらに推進して、中央企業の産業再編、産業協力、産業統廃合を加速し、配置構造を最適化し、本業の競争力を増強し、全体の運営効率の向上を促進しなければならないと表明した。

 (毎日経済新聞 9月13日)