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【エネルギー全般・政治経済】

《中国エネルギー発展報告2016》が発表 2015年のGDP当たりエネルギー消費が5.6%減 (16/09/22)
2016/9/22
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国能源研究会が先日発表した《中国エネルギー発展報告2016》によると、2015年の中国のエネルギー消費総量は43.0億tce(標準炭換算トン)、前年比0.9%増になり、伸び率は2014年に比べ1.3ポイント下がって1998年来の最低を記録した。一方、省エネルギーとエコロジー建設の面では著しい成果を上げており、エネルギー消費強度は大幅に低下して、全国のGDP当たりのエネルギー消費は5.6%下がった。
 
 また、2015年の中国のエネルギー投資額は合計3.25兆元、前年比4.1%増になった。うち石炭採掘・選炭業の投資額は3年連続でマイナスになり、2015年は14.4%のマイナスであった。石油・天然ガス採掘並びに石油精製業の投資もプラスからマイナスに転じ、前年比5.7%のマイナスになった。一方、クリーン・エネルギー投資総額は前年比17%のプラスであり、4年連続で世界第1位を占めている。

 2015年は市場化に向けた改革の深化に伴い、中国のエネルギー価格と需給との関係がますます緊密になり、国際油価下落を受けて、エネルギー価格はいずれも程度の差はあれ下落した。

 第13次5ヵ年計画期を展望すると、エネルギー産業の改革と発展は次のような様々なチャレンジと問題に直面することになる。

 第1に、石炭産業は需要の伸び率の鈍化、生産能力と在庫の解消、環境面の制約強化、構造調整の強化が並行して進む段階に入り、石炭市場の供給過剰を短期間で改めることは難しい。企業の経営難、低い産業集中度、低い科学技術イノベーション能力といった派生問題が石炭産業の「グリーン・低炭素・高効率」発展を制約するだろう。

 第2に、経済成長の鈍化、気候温暖化、ガス価格競争力の欠如などの影響で、中国の天然ガス需要の伸び率が顕著に下がり、天然ガス市場の供給過剰や消費の不足といった状況がさらに厳しくなる。民生用ガスが天然ガス消費を増やす重要な突破口になるだろう。

 第3に、電力の発展は厳しいチャレンジに直面する。中国のエネルギーと資源の拘束が日増しに激化し、環境問題がさらに突出する。環境キャパシティはすでに上限に達しているか上限に近づいている。中国の1人当たり平均の電力消費は先進諸国との格差が依然大きく、エネルギー利用効率が低い。クリーン・エネルギー発電は統一的な計画や絶対的な拘束が欠如している。

 第4に、第12次5ヵ年計画期に非化石エネルギーは急成長傾向を呈したが、経済の「新常態」入りに伴って、電力需要は全体的に鈍化し、エネルギーの体制と仕組みの拘束問題が日増しに顕著になり、風力発電と太陽光発電のチャンスロス問題が激化している。建設投資は伸び悩み、価格形成の仕組みが不合理であるなど様々な矛盾が突出する。

 (経済日報 9月21日)