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中国
【石油・天然ガス】

石油備蓄基地が完成すると中国は最早外国企業から制約されない (16/09/20)
2016/9/20
中国【石油・天然ガス】

 浙江省舟山所在の?山国家石油備蓄基地第2期事業が今月初め、2隻のタンカーから約55万トンの原油を受け入れた。これは容量300万m3の(約1,890万バレル)の新たな備蓄基地完成を意味し、中国の石油備蓄能力がさらに向上したことになる。

 中国は石油供給中断リスクに対応するため、2004年に国家石油戦略備蓄基地建設計画をスタートした。

 当面の中国の石油生産情勢には厳しいものがある。東部の主力油田の生産量は全体的に低下傾向にあり、今後の開発はますます難しくなっている。一方、西部地区の石油資源は比較的豊かではあるが、地質条件は複雑であり、これも石油採掘が難しくなる。そのため、中国は戦略石油備蓄基地の建設に着手した。

 中国の石油生産量は2020年までは安定もしくは小幅の増加傾向を示し、2010〜20年の原油年産量は最大2億トンに達する公算であるが、経済発展や工業による原油需要が膨大であり、そのため、中国の原油市場には供給が需要に追い付かない局面が生じている。中国の石油需要は今後数年、大幅に増加する。中国は国内で石油を生産できるものの、需要を賄うにはほど遠い。

 そこで、戦略石油備蓄は次のような作用を発揮することが出来る。

 第1に、経済成長方式、特にエネルギー消費方式を調整しなければならないが、備蓄によってその時間稼ぎが出来る。

 第2に、一種の抑止作用を果たす。人為的な供給中断を発生させないようにするか少なくとも減らすことが出来る。OPECが「減産による価格維持」政策と「増産による価格抑制」政策のいずれを取っても、戦略備蓄によって輸入国は経済と政治の安定を維持し、人為的な石油供給中断の衝撃を受けないようにすることが出来る。

 中国の建設中の石油備蓄基地が今後次々と完成すると、大国としての戦略的方向性も徐々に形成される。経済の急速な発展と同時に、原油備蓄も経済発展のニーズに追い付きつつある。外国石油企業による原油コントロールから徐々に離脱することが可能になる。

 (捜狐財経 9月20日)