1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

中国海洋石油がイランとのガス田開発契約調印を延期 (08/02/29)
2008/2/29
中国【石油・天然ガス】

 中国海洋石油総公司(CNOOC)は27日に予定されていたイランNorth Parsガス田開発契約の調印を「当面延期」した。なお、契約相手であるPars石油ガス会社のスポークスマンは、延期の理由を「ノザリ石油相が当日の調印式に出席できなくなったため」としている。

 しかし、調印が延期されたのは、米国からの妨害を受けたためと見られる。米国国務省は27日、CNOOCとイランのガス田開発契約が米国のイラン制裁法に違反しているかどうかについて国務省と財務省が調査に当たっていると発表していた。

 イランはサウジアラビアに次ぐ世界第2位の原油埋蔵国であり、ロシアに次ぐ第2位の天然ガス埋蔵国でもある。しかし、イランの天然ガス輸出は進展が遅れており、その上、天然ガスの液化施設を未だ有していない。そのため、CNOOCとの今回の契約がイランの天然ガス輸出のはずみになると見込まれていた。

 中国とイランは2004年、政府間の覚書に調印し、イランは中国石油化工(SINOPEC)をYadavaran油田の主要開発企業とするとともに、SINOPECと年間1,000万トン、25年間のLNG売買契約を結ぶことで合意したが、その後、進展がなかった。しかし、2006年6月、イランがオブザーバーとして上海協力機構サミットに出席した際、中国とイランは石油・天然ガス資源の長期協力に関する合意文書に調印した。中国国際問題研究所中東研究センターの李国富主任によると、中国とイランの協力期間は25年、金額は700億ドルに上る。その後、中国石油天然ガス(CNPC)がイランと調印した契約は、いずれもこの枠組みを具体化したものであった。

 CNOOCとイラン国営石油公社がNorth Parsガス田の共同開発と天然ガス液化施設の建設で合意に達したとイランのメディアが報じたのは2006年12月のことである。当初の合意では、中国側は50億ドルを探査と生産に当て、110億ドルを天然ガス液化の設備投資に当てることになっていた。

 さらに、2007年1月には、CNPCがSouth Parsガス田の14鉱区の開発とLNGプロジェクトに36億ドル投資することでイランと合意文書に調印したことが報道された。

 IEA(国際エネルギー機関)筋によると、市場の観点から見た場合、中国の対イラン投資は世界の石油供給を増やす上で有効であると表明している。IEAの統計によると、2006年のイランの原油生産は日量376万バレルであった。

 (金融界 2月29日)